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何も起こらないという幸せ
今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『日々の暮らしを楽にする』(Gakken)です。その中から「口から出てくる言葉を肯定的に」という題でブログを書きました。
本書の中に「何も起こらないという幸せ」という心に響く一節がありました。
海の中で生まれ育った魚を想像してみてください。この魚は、海の外に出ないかぎり、永久に海の姿を見ることはできません。海の外に出たとしても、魚 は息ができず、苦しくなるでしょう。
同じように、幸せに満ちあふれて育った人間は、幸せの外に出ないかぎり、永久に幸せというものがわからないのかもしれません。
今日一日、病気や事故にあわず、何事もなく過ごすことができたのは、奇跡の連続と言ってもいいでしょう。毎日、普通に生活できることが、どれほどありがたく幸せなことか。そして、見守ってくれる家族や、温かい友人がいてく れることが、どれほど恵まれていることなのか、気がつくかもしれません。
チルチルとミチルは幸せの青い鳥を何かを手に入れようとあくせくするのではなく、すでにたくさんの幸せに囲まれていたということがわかったら、ありとあらゆることに幸せを感じ、感謝することができるのではないでしょうか。
人は、やっかいなことに病気になったとき、初めて健康のありがたさについて気づきます。普段、健康で過ごしているときは、その幸せに気づかないものです。同様に、断食したとき、食べ物のありがたさや、おいしさに気づきます。
幸せにどっぷり浸かっているときには、幸せに気づきません。
チルチルとミチルが幸せの青い鳥を探しに遠くまで行ったが、結局それは自分たちが住んでいた家の中にいたことに気づいたように、幸せは探しに行くものではなく、気づくものです。自分の身近にあることに気づくことです。何も起こらないという幸せに、気づける人でありたいと思います。
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