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大人虎変

今日のおすすめの一冊は、新井正明氏の『先哲の言葉』(致知出版社)です。その中から「わが魂を磨く」という題でブログを書きました。

本書の中に大人たいじん虎変こへんという心に響く言葉がありました。

《君子豹変小人革面》
『君子は豹変ひょうへんし、 小人はおもてあらたむ (易経)』これは『易経』にある言葉で、私自身にとっても、非常に思い出の深いものです。 私は昭和三十一年に人事部長から業務部長になったのですが、その時によく、「人事部長の時にいったことと、業務部長になってからいうことが違う」ということから、豹変したといわれたものでした。
以前、労組の委員長から人事課長になった時もそういわれたことがありました。 私自身はその立場立場で会社のために適切なことをいったつもりなのですが、いささか非難めいた口調で「豹変した」といわれる。
そこで、「豹変」という言葉が気になって『字源』を引きますと、 「豹変とは豹の斑紋の明かなるごとく、君子の旧悪を改めて善にうつるの著しき義」とありました。 それを見て、私は君子ではないから豹変はおぼつかないが、辞書の解釈のように「旧悪」を改めて善に遷ることができればいいな、と思いました。
以後、第三者の批判はどうあろうとも、現在自分に課せられた任務に最善を尽くし、もし、それが豹変といわれても、気にせず信念を貫こうと思うことにしました。 この句は『易経』の「革」の卦にあるのですが、「君子豹変」の 前に「大人虎変こへんという言葉が出ております。
同じ意味と解釈していいと思いますが、「小人革面」とは、小人は心にもなく顔面だけ革めて、上の人に従う態度をとるということです。
私はビジネスの社会に入って半世紀以上になりますが、企業の中で、地位が上がるにつれてめきめき成長する人と、そこで止まってしまう人とがいます。 これは結局、志の高いか低いか、倦むことなく努力するかしないかの問題だと思います。リーダーたるもの、時に応じて本来の意味での虎変豹変こへんひょうへんをしてい くことが肝要だと思います。

コロナ禍によって我々の生活様式は大きく変わりました。その大きな変化を乗り越えるため、我々はまさに「虎変」しなければいけません。本年は虎年。すべての人が志を高く持ち、「虎変豹変」をすることが必要だと思います。

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