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ファンダムとは

今日のおすすめの一冊は、小阪裕司氏の『「顧客消滅」時代のマーケティング』(PHPビジネス新書)です。その中から「コロナ禍で、選別される店とそうでない店」という題でブログを書きました。

本書の中に「ファンダム」について以下のような事例がありました。「ファンダム」とは特定の対象に対する熱心なファンたち、あるいは「熱狂的なファン」である状態をさします。

ファンダム作りにおいて、圧倒的な成果を出している事例を紹介したい。愛知県蒲郡市にあるハンバーグレストラン「炭棟梁(すみとうりょう)」だ。この店には「炭棟梁大使」という、いわばファンクラブのような制度があるのだが、2020年には会員がついに1万人を突破した。人口約8万人の街の、たった1店舗しかないハンバーグレストランが1万のファンダムを持っているというのだから、まさに異常である。
そして、こうなるともう、何でもできる。実際、会員が5000人を超えたときからこの店では夜の営業をやめ、昼のみの営業にしてしまった。それでも、十分利益が出ているのだ。さらに驚くのは、この店がファンダムを意識してファンクラブ制度を作ったのは、わずか3年前なのだ。たった3年で1万人のファンダムができてしまったことになる。
この店は2000円から3000円という価格帯のハンバーグが中心なのだが、実は4年前には、同じようなハンバーグを980円で、しかも前菜ビュッフェやピザ、ドリンクバーまでつけて提供していた。それでもお客さんは来なかった。しかし、ファンダムを意識した活動を始めて約3年で、メニューや営業時間を減らしたうえで、それ以上の利益が出るようになった。
蒲郡ではかなり早い段階でコロナ感染者が出たのだが、当時も今も商売にはまったく影響はないという。店主の森下容輔氏は以前の自分を、「毎日深夜まで仕事をして、疲れ果てて眠る日々」「仕事が楽しくなかった」と振り返るが、今では時間的余裕も生まれ、何より愉しく商売を行っている姿が印象的だ。
「1万人のファンダム」というと、個店ではそうそう持っていない数字だろう。何しろ、単なる「1万人の登録者」ではない。「1万人のファン」なのだ。それが持つパワーを想像できるだろうか?何かのアクションを起こすたびに「1万人のファン」が常に動いてくれるパワーを。

昨今、飲食店でも昼だけの営業の店舗が少しずつ出てきました。たとえば、京都を中心としたステーキ丼専門店の「佰食屋」です。1日100食限定で、100食が終わったらお店も閉店というシステムです。したがってお店もランチで終わってしまいます。

また、広くは知られていませんが、昼だけ営業の個店の飲食店は、地方にはかなり存在しています。家族経営で長く続けようとしたとき、問題になってくるのが、子どもや家族のふれあいの時間です。昼だけの営業になれば、その問題の多くは解消します。

このコロナ禍において、お酒の提供や夜の営業が問題視されている昨今、今後の新たな取り組みとして注目です。

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