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丁寧がゆとりを生む

今日のおすすめの一冊は、武田双雲氏の『丁寧道』(祥伝社)です。ブログも同名の「丁寧道」として書きました。

本書の中に「丁寧がゆとりを生む」という心に響く一節がありました。

「忙しいから『丁寧道』なんてやれない」「そんなゆとりはないから物と仲良くなってる暇なんかない」と感じた方に、ここで真実をお伝えしてしまいましょう。 それは、「ゆとりがあるから丁寧にできる」のではなく、「丁寧にやるからゆとりが 生まれる」ということです。
ある種、これは「お金があれば寄付します」っていうのと一緒かもしれません。 「じゃあ、いつであれば、お金がある状態なんですか?」と問われると、多くの人は明確には答えられないでしょう。 他にも「モテたら結婚できる」「時間があれば旅行できる」「技能があれば字を上手に書ける」......みんな一緒です。
すべて「○○になれば、××できる」という条件が整うことが前提になっていますが、 どんなに美男美女だろうと一人で家に居続ければモテようがないし、休日があっても 時間がないと解釈すれば旅には動き出せないし、字を練習せずにいきなり上手に書けることなんてないですよね。
つまり、「条件が整う」という感覚も「認知」の問題なのです。 そして、自分にあるものよりも、自分にないものに視野が向きがちな僕たち人間にとって「条件が完璧に整った」と疑いなく思える瞬間はほぼこないのです。
一方で、「丁寧道」には自分にあるものに気づかせてくれる力があります。 たとえば、「丁寧道」をすることで、その製品に込められた技術やメーカーさんの心配り、人の思い遣りといった、実際にはずっとそこに溢れていたけれど、まったくキャッチできていなかった優しさを感じられる。
こうなると、人は自然と感謝の念が湧いたり、静かな感動がこみ上げたりすること が増え、この世界って素敵な場所なんだな、と心から思えるようになります。 すると、自分自身の感じ方も前向きになり、気持ちがよくなっていくので、丁寧に 過ごしたいと思うことが増え、じっくり味わおうとする時間が増えているはずです。
この循環に入ってしまえば、「ゆとりがあれば......」と思わなくても、自分の心の中にゆとりが存在している状態になります。たとえ、「丁寧道」にかけられる時間が、一 日に数分しかなくても、そこにはゆったりとした穏やかな時間が流れ始めるわけです。
このように、「丁寧道」には、ネガティブな認知を消すだけでなく、ポジティブな 「認知」と「ゆとり」を生み出してくれる効果があります。 とはいえ、「やらなくちゃ」と思うと義務感が強まるので、あれこれ思考せずに、気が向いたときに、ちょっと丁寧を味わってみる、ぐらいラフにやってみるのがいいか もしれませんね。

いくら短所を直したところで、長所は増えないといいます。短所ではなく、長所を伸ばすことが、結果的に短所がなくなる唯一の道だからです。これは、船井総研の創業者、舩井幸雄氏が提唱した「長所伸展法」というものです。

同様に、丁寧にやることを増やせば、自ずと雑なことがなくなり、ひいては「ゆとり」が生まれるということです。

ゆとりや余裕をつくるためにも、丁寧道を極めたいと思います。

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