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自分への期待が高い人ほど、行動へのハードルも上がりやすい

今日のおすすめの一冊は、中川諒(りょう)氏の『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー)です。ブログも同名の「いくつになっても恥をかける人になる」と題して書きました。

その中に「自分への期待が高い人ほど、行動へのハードルも上がりやすい」という興味深い一節がありました。

恥ずかしいという気持ちは、できれば誰しも避けたい感情だ。恥を感じたその瞬間、 心臓は早く脈打ち、顔は真っ赤になり、できることならその場から消え去りたいと願う。そしてあなたを囲む周りの人が全員自分の敵のように見えてしまう。
しかし恥を避けようとすればするほど、わたしたちは恥を感じてしまう。 なぜかというと、恥は自分の思い描いている「理想の自分」と「今の自分」のギャップが原因で生まれてくるからである。
目の前のことを失敗なく「完璧」にこなそうと すればするほど、現実の自分の「不完全さ」が気になってしまうのだ。その不完全さ を受け入れることができずに自己否定感情が強くなると、さらに恥を感じて身動きが とれなくなってしまう。 恥とは自分が描いている「理想の自分」と「現実の自分」の間に生まれるギャップ に横たわる、複数の「心理的つまずき」だ。
面白い企画を考える人だと周りに思われたいという理想に対し、実際は今手元に大した企画がひとつもない。そのギャップの 間に横たわる心理的つまずきが、あなたから会議で発言する勇気を奪い取る。
この理想と現実のギャップが大きければ大きいほど、「周りにバカだと思われるのではないだろうか」という不安も大きくなる。そして打ち合わせに参加したにもかかわらず、 発言できないままにその時間を終えてしまうのだ。
ここで恥を乗り越えることができていれば、仮に自分の企画自体はたいしたことが なくても、あなたの発言がきっかけで誰かから名案が生まれていたかもしれない。恥を避けようとしたことで、あなたはまだ見ぬ可能性を捨ててしまったのだ。
自分への高い期待値は、変身願望でもある。期待値が高ければ高いほど、現在の自分への否定感情が強くなってしまう。理想の自分が、現在の自分を否定する。その結 果、恥ずかしいという感情が強まり、行動へのハードルも上がってしまうのだ。

自分への期待値が高い人は、他人にも期待してしまう傾向があります。つまり、自分に「完璧さ」を求める人は、他人にも「完璧さ」を要求してしまうということです。しかし、他人に完璧さを求めれば求めるほど、人間関係は壊れます。同様に、自分への期待値が高すぎても、失敗を怖れ、挑戦するのを躊躇(ちゅうちょ)するようになります。

そんなときはよく、「いいかげんに生きろ」と言います。「いいかげん」とは「良い加減」です。真面目に頑張りすぎないということです。適当に楽しみながら、バランスよくやっていくことです。もし、一つのミスも許されない、という張り詰めた状態なら、ちょっとバランスをくずすと、張り詰めた糸はプツンと切れてしまいます。

期待値を下げ、「うまくいったらいいなぁ、でもうまくいかなくてもいいや」、というくらいの気持で事に臨むなら、チャレンジしたことが、すべて加点となります。しかし、一つの失敗やミスを許さないとなったら、すべてが減点となっていきます。すると、まったく行動できなくなってしまいます。

「いいかげんに生きる」ということは「鈍(どん)で生きる」ということです。鈍とは、「ボーっとする」ことです。

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