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言葉と体は確実につながっている

今日のおすすめの一冊は、西脇俊二氏の『人生は0.2秒で変わる』(ワニブックス)です。その中から「コミュニケーション上手になる唯一の方法」という題でブログを書きました。

本書の中に「言葉と体は確実につながっている」という興味深い文章がありました。

私はよく「言葉と体は確実につながっている」と思うことがあります。その人が他人に発する言葉、心の内に秘めている言葉や思いは、その人の性格を形づくるだけでなく、体にも影響を及ぼすことになるのだ、と。 

クリニックに来院される患者さんの中に、かなりの毒舌家がいました。 他人である僕に対してはものすごく丁寧な口調なのですが、付き添いできてくれていた家族に対しては暴君そのもの。僕の目の前でも家族を罵倒しまくっていたんです。 その人の病名は “舌がん”。 

口が悪い人が舌がんだったことが、実はほかにも何度かありました。 また、怒りを溜め込みがちな人、イライラしがちな人は肝臓の病気になりやすく、 言いたいことがあるのに言えずに我慢している人は肺の病気や乳がんになりやすい。 

また、何かを一人で抱え込んでしまいがちな人は子宮などのお腹周辺の病気になりやすいし、悲しみが多い人は腎臓にくるともいわれています。こうした考え方は東洋医学においても、アーユルヴェーダの観点からも言われていること。 

ちなみに、怒りを溜め込みがちな人は肝臓の病気になりやすいと言いましたが、東洋医学でイライラを抑えるために処方されるのは “抑肝散(よくかくさん)” といわれる漢方薬。読んで字のごとく、「肝」を抑える薬なのです。 

うつ病もまた言葉と関係が深い病気ですが、その特徴は何を見ても聞いてもすべてをマイナスに受け取ってしまうことにあります。 なにごともストレスが多くかかる方向に考えてしまうような心理状態になっている のが、うつ病なのです。

普通なら親切にされたら「うれしい、ありがとう」と思うはずなのに、「私のこと可哀想だと思っているんだ」とネガティブに考えてしまうというわけです。 うつ状態の脳がどうなっているのかというと、楽しいという感情ややる気のもとになる(脳内の神経伝達物質である)ドーパミンやセロトニンが非常に低下しています。 気持ちがプラスの方向に動かないような脳の状態になっているんです。 

実は現代には、うつ病とまではいかないまでも物事をマイナスに受け取ってしまう人は多いんです。でもそれもこれも、言葉のトレーニングを重ねることによって改善することができます。

自分が発した言葉を一番先に聞くのは自分です。自分の口に一番近いのが、自分の耳だからです。だからこそ、口から出た言葉は、自分に一番影響があります。

コンビニや飲食店などで、時々大声で罵倒したり、怒鳴ったりしている人がいますが、本当は、その言葉によって一番影響を受けているのは自分なのです。

どこかの本に書いてありましたが、ある未開のジャングルの原住民は、木を倒すときには、その木の周りに人々が集まって、口々に木に対して罵声を浴びせるそうです。すると、何日かすると、その木は倒れてしまう、という話です。

木も倒せるほどの人間の言葉の威力。言葉を大切にしたいと思います。

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