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「偶然」を大事にする生き方

今日のおすすめの一冊は、デイビッド・エプスタイン氏の『RANGE レンジ 知識の「幅」が最強の武器になる』(日経BP)です。ブログも同名の『知識の「幅」が最強の武器になる』という題で書きました。
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自分の「レンジ(幅)を広げる」ということは、一見するとムダなことをしたり、多くチャレンジして多く失敗するという、およそ非効率なことをくり返すということでもあります。そこで、ふっと思い出したのが、『成功は“ランダム”にやってくる!』(阪急コミュニケーションズ)という本です。ブログでは一言だけふれましたが、ここで、少しまとめて詳しく書いてみたいと思います。

非常にシンプルで衝撃的な考え方がある。一つは、成功は私たちが考えているよりはるかにランダムに起きるということ。もう一つは、個人や組織がランダムに起きる成功をつかみ、うまく利用するためにできる行動はいろいろあるということだ。この二つの考え方に衝撃を受けるとしたら、それは私たちが常日頃、成功とは戦略を練り、計画を立て、綿密な分析をした結果として現れるものだと刷り込まれているからにほかならない。
この二つの考え方は、一見すると矛盾しているように思える。もし本当に成功がランダムに訪れるものなら、どんな行動をとっても成功のチャンスは増えないのではないか?スターバックスやグーグルのような有名企業や中小企業の成功から、投資やキャリア、はては恋愛にいたるまで、すべてが偶然の結果だとしたら、目標に向かって努力することに意味はないのではないか?
成功者は、偶然の出会い、突然のひらめき、予期せぬ結果などを経験している。彼らは運命を変えた瞬間のことを振り返り、「あの瞬間がすべての始まりだった」と言う。誰にでも訪れるこの瞬間を、私は「クリック・モーメント」と名づけた。
成功がランダムにやってくるためには、次の三つの教訓が必要だ。一つ目の教訓は、世界は予測不可能であり、すごい速さで変化しているということ。テニスやチェスのようにゲームのルールが固定されていない限り、このような早い変化をうけて成功はランダムになる。誰かが成功したときの方程式を教えてもらうことは一見ありがたく思えるが、そのような方程式が存在すること自体が、方程式の効果をなくしてしまう。
大切なのは、誰かの具体的な戦術ではない。よく考えてみると、具体的な戦術は、予期せぬ出会い、驚くべき契約、偶然のひらめき、幸運なめぐり合わせなどから生まれることに気づくだろう。
二つめの教訓は、私たちはランダム性を積極的に人生に取り入れようとはしないということ。私たちが作り出した社会では、計画や予測可能性はすばらしいと教えられる。次第に世界はそれを許さなくなっており、次第に成功は予測不可能になってきている。私たちはランダム性を嫌う。しかし、成功するためにはランダム性が必要である。この二つの相反する事実を、どのように調和させればいいのだろうか?もっとも大切なのは、情熱をモチベーションにすることだ。情熱があれば私たちは前進し、賭けを続け、失敗した直後でもほかの手段を探すことができる。
三つ目の教訓は、物事がうまくいき始めているとき、自分に有利になりそうな出来事が起きているとき、それに気づくことはできるということだ。そうなったときは、倍賭けするべきである。こういう瞬間はめずらしく、毎日起きることはない。世界は決して予測通りには動かない。今日ほどこの言葉が的を射ているときはない。だが、逆に言えば、誰もが予期せぬ方法で世界を変えるチャンスを持っているということ。チャンスは一瞬を駆け抜ける。思いもよらないときに現れる。そして、私たちの人生におけるさまざまな道が、驚くような方法でつながるその一瞬に、現れるのだ。

考えて見ると、我々は、「偶然」のできごとの連続で毎日が過ぎていくとも言えます。「いや、私はちゃんと計画通りに生きている」という人がいたとしても、それは「偶然」に気がつかないだけなのだと思います。なぜなら今日、この一瞬後に、大地震が起こるかもしれないし、階段で転んで足の爪をはがしてしまうかもしれませんから。このコロナ禍にしても、世界中で誰一人として、こんな大ごとになると予言した人はいませんでした。一瞬後は、どうなるか誰一人としてわからないということです。

もし今、毎日が無事に過ぎているのなら、それはたまたま何も起こらなかっただけなのです。同様に、成功も偶然の要素が大きい、というより偶然がほとんどを支配していると言うこともできます。ただ、大事なのは、何も努力していない人には、良き偶然は起きないということです。色々な場所で、努力という種を蒔いているからこそ、そこに花が咲くわけで、一粒も種を蒔いていない人に花は咲きません。

そして、努力をしていない人には、「偶然」の大切さに気づきません。「たまたま誰かと会った偶然のご縁」「誰か頼まれた、頼まれごと」「偶然のひらめき」「本の中のハッとする言葉」等々。いいことも悪いことも、「偶然のありがたさ」に感謝する。そんな、「偶然」を大事にする生き方をしていきたいと思います。

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