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いつでも神さまは見ている

今日のおすすめの一冊は、小林正観さんの『宇宙法則で楽に楽しく生きる』(廣済堂出版)です。その中から「人に喜ばれる生き方」という題でブログを書きました。

本書の中に「いつでも神さまは見ている」という心に響く文章がありました。

1953年、映画『ローマの休日』で初主演したオードリー・ヘップバーンは、この映画でヨーロッパの名門王室の王女、アン王女役を演じました。 

普通の女の子に憧れる王女さまが、歴訪先のローマで、夜、お城を抜け出し、グレゴリー・ペック演じる新聞記者と淡い恋に落ちるというこの作品で、オードリーは、いきなりアカデミー主演女優賞を獲得し、世界中にヘップバーン旋風を巻き起こします。

オードリーの存在を探し出したのは、ハリウッドの巨匠監督ウイリアム・ワイラーでした。 『ローマの休日』を撮るにあたり、ウイリアム・ワイラーはヒロインのアン王女役にぴったりの女優を見つけられずにいました。 王女の品位、品格、落ち着きと明るさを醸(かも)し出せる女優がハリウッドにはなかなかいなかったのです。 

王室がアメリカにはなかったせいかもしれません。 そこで、王室があるヨーロッパには、もしかすると王女さまの雰囲気を持っている女優がいるかもしれない、とウイリアム・ワイラーは思い、スカウトマンをヨーロッパに送ります。 

そのスカウトマンのひとりが、当時22歳になっていたオードリー・ヘップバーンとロンドンで出会います。 「彼女は、天性の華やかさと王女の気高さが備わっている。まさに大女優になるような素質を持っている」 オードリーの中にプリンセスを見たスカウトマンは、すぐウイリアム・ワイラーに連絡をします。 

すると、彼はこう言いました。 「わかった。じゃあ、スクリーンテストをして送ってくれ。ただし…」 と、ひとつだけ条件をつけたのです。 「そのスクリーンテストが終わったあとも、しばらくカメラを回し続けておくように」と。 

オードリーが受けたスクリーンテストとは、王女さまという身分から逃げ出して、取り巻きのいない場所で、初めて自由な朝を迎えるというシーンでした。 

「あー、今日は素晴らしい天気だわ、素敵な空だわ」 「カット」 ディレクターの「これでスクリーンテストは終わりました」という声に、オードリーは、もう一度両手を広げて「あー、これでテストは終わったのね!」と言いました。 

その時の表情が素晴らしかったのです。 その結果、オードリー・ヘップバーンは大抜擢されました。 『ローマの休日』はオードリー・ヘップバーンの原点であり、帰結であるといわれていますが、スクリーンテストが終わったあとの生き生きとした表情と、無邪気な笑顔こそが、オードリーの原点だったのです。 

この話から、私たちはいつどこで神さまが見ているかわからない、ということが言えます。 逆に言うと、私たちはいつでもどこかで神さまに見守られている、応援されている、とも言えます。 

私たちは、カメラが回っているときだけ生きているのではありません。 カメラが回っていないところ、つまり、周りの人たちの目がないところでも自分の生き方ができている人は、自然に美しい存在感が放たれるのでしょう。 

「品性は、だれも見ていないと思った時、 何をするかで決まる」 アメリカの作家、H・ジャンクソン・ブラウン・Jrの言葉だ。 

また、スティーブ・ジョブズはそれをこう表現している。 「偉大な大工は、誰も見ないからといって、キャビネットの裏側にひどい木材を使ったりはしない」 

人は見た目が9割、という言葉があるが、実は、誰も見ていない時の行動や態度こそが、その人の本当の品性や人格を表している。 一時(いっとき)は見た目でごまかせても、メッキがはがれるのは早い。 

どんなときも「お天道さまは見ている」。 

カメラが回っていないときこそ、襟(えり)を正し、品のある生き方をしたい。

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