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マレーシア大富豪との出会い

今日のおすすめの一冊は、小西史彦氏の『マレーシア大富豪の教え』(ダイヤモンド社)です。その中から「戦う場所を選ぶ」という題でブログを書きました。

本書の「プロローグ(マレーシア大富豪との出会い)」にこんな文章がありました。

本名は小西史彦。 1944年石川県生まれ。薬問屋を営む家の長男として生まれた生粋の日本人だ。東京薬科大学で薬剤師の資格を取り、教授の紹介で大手企業の内定を得るが辞退。実家を継がないことも父親に告げた。そして、薬局のアルバイトで生計を立てながら、日米会話学院 に通い始める。海外雄飛の夢を実現するためだった。
「転機が訪れたのは2年目。1967年に、日本政府が明治100年を記念して企画した「青年の船」に応募。英語力を武器に選考を勝ち抜き、東南アジア各国を歴訪するチャンスを得る。そこで、魅了されたのがマレーシアだった。 1957年にイギリスから独立したばかりの若い国。「青年の船」で接した政府高官も若く、「自分たちの国をつくり上げる」という清新な志に満ちていたという。
太陽が燦々と降り注ぐ美しい国土にも魅せられて、翌年には国立マラヤ大学に留学。1年間をマレーシアで過ごすなかで、この地で生きていこうと心が固まる。 翌年、本格的に移住。 結婚したばかりの妻とふたり、ほぼ無一文での船出だった。
ところが、いきなり座礁する。ある日本企業がマレーシア連邦に設立した合弁会社の社員として働くはずだったが、この話がご破算になってしまう。わずか2ヶ月で解雇。助け舟を出してくれたのは、合弁会社の社長だった。知り合いの華僑が経営する、シンガポールに拠点を置く商社への就職をあっせんしてくれたのだ。
そこで任されたのが日本製の染料の輸入販売。こうして、小西氏は営業マンとしてのキャリアをスタートさせる。 365日ほぼ休みなく、マレーシア全土の繊維工場に営業をかける毎日。車にサンプルを積んで、月に5000kmを移動するハードワークだったが、その努力が実り、取り扱い量は増加していった。
シェアを奪われた数名の欧米人営業マンにつるし上げられたこともあったが、歯を食いしばって地を這うような営業を継続。揺るぎのない営業基盤を築き上げるに至る。 ところが、またもトラブルに見舞われる。現地の商慣習としてやむなく約束した取引先 へのリベートを、社長が横領。約束を反故にされた取引先に突き上げられる事態に陥る。
進退きわまった小西氏は、帰国を覚悟せざるを得ない状況に追い込まれる。 しかし、禍福はあざなえる縄のごとし。「君がいなくなると困る」と、日本メーカーや 取引先の華僑たちが小西氏の独立を支援。かねて住みたいと願っていたペナン島に商社 「テクスケム・トレーディング」を設立。出資者のひとりである華僑の事務所の一角を間借りして、たったひとりでの独立を果たす。
1973年9月、29歳のときだった。 それから約3年――。 たったひとりで始めたテクスケムは、幾多の難局を乗り越えて、製造業や商社、飲食業 など約8社からなる「大企業グループに成長した。1993年にマレーシア証券取引所に上場し、マレーシアのほかミャンマー、タイ、ベトナムなど7ヶ国で事業を展開。従業員数約8000人、売上高300億円を超える、マレーシアの国民的企業として高い知名度 を誇っている。
経済的な成功をおさめただけではない。日本から多くの投資を呼び込んだほか、大きな雇用を生み出すなど、マレーシアに多大な貢献をしたことが評価され、2007年には 「タンスリ」の称号を授けられる。何の後ろ盾もなくたったひとりでマレーシアに渡り、 辛酸をなめた男が、マレーシア国民の敬意を集めるVIPにまで登りつめたのだ。
こんな日本人がいるのか......。 それが、率直な感想だった。海外で働く日本人は100万人以上いるというが、孤立無援、徒手空拳でここまで成功した日本人がいるだろうか?いや、日本人だけではない。 世界中で、異国の地でこのような成功をおさめた人物が何人いるだろうか?

本書の中には「人生訓」がつまっていて、目次には次のようなものがあります。

◆成功したければ、「誰もいない場所」を選びなさい。 ◆「リスク」とは避けるものではなく、自らとりに行くものである。 ◆「未来」を心配するようり、「今」に全力を尽くしなさい。 ◆「才能」があるから非凡なのではなく、「熱中」するから非凡に至る。 ◆「下働き」こそ最強の戦略である。 ◆セールスマンシップが「強力な人脈」を生み出す。

◆あらゆる「幸運」には必然性がある。 ◆「信頼する」とは「決断する」ことである。 ◆「損得」よりも、「フェアネス」を判断基準とする。 ◆相手を理解し、尊重し、助けなさい。 ◆「あるがまま」に世界を見れば、劣等感を克服できる。 ◆「お金」を貯めるものは貧しくなる。 ◆目の前の仕事を極めて、「人生の背骨」をつくりなさい。 ◆ビジネスの女神は「現場」にいる。

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