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賃貸の革新的サービス

今日のおすすめの一冊は、桜井駿氏の『プロップテックの衝撃』(日経BP)です。ブログの題名も「プロップテックの衝撃」として書きました。

本書の中に「賃貸の革新的サービス」についてこんな例が書いてありました。

《ホテルのように予約して使える賃貸サービス》2011年設立のZiroom(ズールー) は、中国でオンライン賃貸プラットフォームを展開する 。 オンライン賃貸、スマートレンタルと呼ばれるこの分野は、中国でも複数の企業が誕生しユニコーン企業に成長している。
実際に物件を借り上げ て、家具や家電も設置した状態で利用者に貸し出す。利用者はオンラインで物件を検索し、オンライン上から申し込みをするだけですぐに住み始め ることができる。
Ziroomは、北京、上海、深センなど9都市で展開しており、約50万人 の物件オーナーと、累計300万人の利用者を持つ、中国大手のスマートレ ンタル事業者だ。2020年には、6000部屋を管理、提供する、同業者の Besbond(2014年設立)を買収した。
さらに、部屋の提供のみならず、清掃サービスや家の修理などのサービスも提供しており、これまで3000万件以上の注文実績があり、サービススタッフは2万人以上という、日本では考えられないような規模に成長しているが、 Ziroom誕生時の2012年ごろは、賃貸住宅は民間の個人大家が中心で、満足できるサービスが提供できていなかった。
そこにZiroomをはじめとする企業ブランドの賃貸サービスが登場し、沿岸都市部で働く若者にとって主流な選択肢になったという。
同様に、Lianjia(Ziroomの親会社)から設立されたBeikeは、オンライン不動産取り引きの デジタルエージェント事業を展開し、VR内見を含むテクノロジー投資を 積極的に実施。中国110の都市に展開している。ソフトバンクビジョンファンドから投資を受け、2020年にはニューヨーク証券取引所に上場、 現在は時価総額が7兆円と日本の不動産会社をはるかにしのぐ規模に拡大 した。
《特定の住居を持たない多拠点生活》2018年12月に日本で設立の「アドレス」で提供するのは、定額で全国住み放題の多拠点移住サービス だ。全国各地に自ら物件を取得しリノベーションしたり、借り上げたり して拠点を確保、それらを、会員に対して月額4万円(税別)で提供する。 コリビング(co-living)とも呼ばれるサービスだ。
米国をはじめ海外の PropTech コミュニティでも、たびたび注目トレンドとして挙がるコリビングとは、職住一体型の施設、ライフスタイルを指す言葉だ。フリーラ ンスなどの新たな働き方が定着してきたことによって生まれたものであ る。
会員はアドレスと共同賃貸借契約を交わし、拠点を利用する仕組み。 利用可能な拠点は2021年3月現在、全国130カ所以上。電気代や水道光熱費などは月額料金に含まれ、共用部分には家具・家電なども備え付けられている。
同社では、地域のコミュニティを意識した運営を行っている。家守(やもり)」と呼ば「ADDress」の家での生活をサポートするコミュティマネージャーを配置。各物件には、個性あふれる地域住人が管理者として担当者に付き、地域との交流の機会やユニークなローカル体験、その地に暮らしているからこそ分かる情報を提供しているのである。

これ以外にもプロップテックの新しい波としては、「We Warkの美容師版個室型美容室賃貸サービス」や、「家具や家電のサブスクリプション」「最適な住宅ローンを組むためのサポート事業(iYell)」等々があります。

また、宿泊での最新のキーワードとなるのが「シームレス」「インクルーシブ」です。シームレスとは、住宅への申し込み、入居まで(家具のレンタル等)シームレスにスマホひとつでできることです。

また、「インクルーシブ」とは、2020年7月にオープンし、沖縄県石垣島で話題となったリゾートホテル「THIRD石垣島」があります。またたくまに石垣島のホテルランキングで外資系リゾートホテルを抑えて1位になりましたが、20代、30代をターゲットとしたホテルです。

食事やドリンクが全て含まれたオールインクルーシブの料金体系を採用しています。当然、宿泊料金は高くなりますが、利用者はシンプルな価格でこれまでにない滞在体験を送ることができるそうです。つまり、ホテルのクラブラウンジが全室利用可能だということです。

不動産や賃貸や宿泊関連にも新たなサービスがどんどん出てきます。まさに、今、アイデアで勝負できる時代がやって来たのだと思います。

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