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新しい仕事で成果をあげるためには

今日のおすすめの一冊は、『一日一話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版社)の中から、上田惇生氏の心に響く言葉です。今日のブログはその中から「何をもって人に憶えられたいのか」という題で書きました。

五.新しい仕事が要求するものを考える》について、ドラッカーはこう述べています。

あらゆる組織において、人材の最大の浪費は昇進人事の失敗であることを目にしてきた。昇進し、新しい仕事を任された有能な人達のうち、本当に成功する人はあまりいない。10年あるいは15年にわたって有能だった人が、なぜ急に凡人になってしまうのか。
新しい任務に就いても、前の任務で成功していたこと、昇進をもたらしてくれたことをやり続ける。そのあげく、役に立たない仕事しかできなくなる。正確には、彼ら自身が無能になったからではなく、間違った仕事の仕方をしているために、そうなっている。
新しい任務で成功するうえで必要なことは、卓越した知識や才能ではない。それは、新しい任務が要求するもの、新しい挑戦、仕事、課題において重要なことに集中することである。少なくとも私の経験では、このことを自分で発見した人はいない。誰かが言ってくれなければ分からないことである。このことは一度知ってしまえば、決して忘れることのないものである。そしてほとんど例外なく、その後は、誰でも新しい任務で成功するようになる。
私(ドラッカー)は1933年(24歳)にロンドンで初め大手保険会社で証券アナリストをつとめ、1年ほどしてから、小さくはあったが、急速に成長していたある投資銀行に移った。 そこでエコノミストとして3人のシニアパートナーの補佐役を勤めた。 一人は70代の創立者で、あとの二人は30代半ばだった。
はじめの頃私は一番若いシニアパートナーの補佐役をつとめていた。 ところが3ヶ月ほどして年配の創立者が私を部屋に呼びつけてこう言った。 「君が入社してきたときはあまり評価していなかったし、今もそれは変わらない。しかし君は、思っていたよりも、はるかに駄目だ。あきれるほどだ」
2人のシニアパートナーに毎日のように褒められていた私は、あっけにとられた。 その人はこう言った。 「保険会社の証券アナリストとしてよくやっていたことは聞いている。しかし、証券アナリストをやりたいのなら、そのまま保険会社にいればよかったではないか。今君は、補佐役だ。ところが相変わらずやっているのは証券アナリストの仕事だ。今の仕事で成果をあげるには、いったい何をしなければならないと思っているのか」
私は相当頭に血が上った。しかし、その人の言うことが正しいことは認めざるを得なかった。 そこで私は、仕事の内容も、仕事の仕方も、すっかり変えた。 このとき以来、私は新しい仕事を始めるたびに、 「新しい仕事で成果をあげるためには 何をしなければならないか」 を自問している。 もちろん答えは、そのたびに違ったものになっている。(P.F.ドラッカー『プロフェッショナルの条件』上田惇生編訳、ダイヤモンド社)

ピーターの法則というのがあります。有能な人でも、昇進し続けると能力の限界に達する(無能になる)という法則です。昇進すると今までのスキルや経験が役に立たなくなることが多いからです。たとえば、現場では非常に優秀な技術者(作業員)だったのに、管理職やリーダーになった途端、無能になってしまう、というような場合です。

このコロナ禍において、リモートでの会議や仕事が当たり前になったとき、このピーターの法則による無能な上司があぶりだされてしまった、という多くの例が発表されています。従来のように、部下と上層部の間を取り持つ仲介や取次の仕事をしていたり、たんなる批判するだけの評論家や激励係だったり、という仕事をしたふりをしていた人たちです。

ITに弱く、デジタル関連の新しいことや、部下との新たなコミュニケーション(Googleでいう1on1、等)にもチャレンジして来なかった人たちでもあると言えます。

今日のブログの詳細はこちら☞人の心に灯をともす


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