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心を高める

今日のおすすめの一冊は、稲盛和夫氏の『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP)です。その中から「大変革期に燃える人」という題でブログを書きました。

本書の中に「心を高める」という心に響く言葉がありました。

リーダーが忘れてはならないことは、「心を高める」ことです。盛和塾(一九八三年から二○一九年まで継続した若手経営者の勉強会)のモットーに「心を高める、経営を伸ばす」とあるように、心を高めることでこそ、組織を永続的な成長、発展へと導いていくことができるのです。
苦難に遭遇し、それに耐え、懸命に努力していく過程で、心の中に美しく正しい善なるものを常に持っている人間に自分が成長できるよう、努めていく必要があると思うのです。
私は若いときから、哲学や宗教関連の本を枕元に何十冊と積み、夜寝る前に少しでもひもとくよう心がけてきました。たとえどんなに遅く帰ったとしても、一ページでも二ページでもページを繰る。それはひとえに人間性を高めたいがためであり、私はそのために聖人賢人たちが残してくれた教えを日々ひもといていたのです。
また、そのようなとき、感銘を受け、胸が詰まり、先へ進めなくなることがよくありました。そうした心打たれる箇所には赤鉛筆で線を引き、さらに反芻するという読み方をしてい たので、一ページを読むだけで三十分も四十分もかかることがありました。
しかし、学んだ ことを血肉化し、自分の糧とし、実践していくなら、そんな読み方をすべきだと私は思います。 おそらく若い頃からそういう日々を送っていたために、「理念を高め続ける日々」と、自らの半生を総括したのだろうと思います。
そして、そのような日々を送るなかで、私は「世のため人のために尽くすことが、人間として最高の行為である」と考えるようになりました。また、人間がこの現世に生を享け、生涯を生きていく目的は、そうした美しい「利他」の心が発露するくらいにまで、心を高めていくことだと考えるようになりました。そして自分自身もそうありたいと願い、日々反省を 繰り返しつつ、懸命に努力してきました。
半世紀にわたる自分の来し方をふり返るとき、集団のリーダーとして、いたらない自分が 少しでも立派な人間になるよう心を高めるべく、懸命に努めてきた道のりであったように思 います。
実は、私の手帳は毎年替わるのですが、電話帳のところだけは昔から替わっていません。 そこには、ずっと昔のことで、もう誰が言ったものかよく分からないのですが、ある言葉が書き留められていて、折に触れて読み返し、その意味をかみしめています。 それは、次のようなものです。
「よく言う者はあれども、よく為す者は少なく。よく為す者はあれども、よく久しゅうする者は少なく。久しゅうして、人いよいよ敬を加うるは至って稀に候」
よく言う者、つまり評論家のように経営について大言壮語する人はいくらでもいます。しかし、よく為す者、つまり実際に会社を立派に成長させられる者は少ない。また、よしんば会社を発展させることができたとしても、それを久しくする者、長く続けられる者はさらに少ない。そして、繁栄を長く続けていくなかで、いよいよ敬を加うる、つまり尊敬されるような人間になる経営者はきわめて稀だというのです。
まさにこういうことを、私自身、大事にしていこうと強く思ったから、わざわざ書き留め ておいたのだと思います。

稲盛和夫氏は人生の目的は「心を高める」こと、「魂を磨く」ことにあるといいます。放っておくと、地位や名誉、財産などを際限なく欲しがるのが人間です。しかし、そいう言う中にあって、それにおぼれてしまったら一瞬にして没落が始まります。

そうならないためにも大事なのが、「心を高め」、「魂を磨く」ことです。これは、謙虚に学び続けるための要諦であり、今世での究極の目的ではないかと思います。

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