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相手に花を持たせる

今日のおすすめの一冊は、櫻井秀勲(ひでのり)氏の『人を味方につける男、敵にする男』(三笠書房)です。その中から「場の空気が読める人に」という題でブログを書きました。

本書の中に「相手に花を持たせる」という心に響く文章がありました。

現在、多くの出版社から「引き寄せの法則」式の本が出ています。 幸せを引き寄せる方法を分析した、スピリチュアル的な考え方のものが多いようです。 スピリチュアルがいいかどうかは別として、幸せを引き寄せるには、自分だけでなく周りの人たちも同時に、幸せな気分にしていかないといけません。 

自分だけ幸せを引き寄せようとしていたのでは、結局、自分も幸せになれないのです。 この引き寄せの法則は、いわば「相手に花を持たせる」という考え方と、不思議なくらい一致しています。 

「相手に花を持たせる」とは、その人を立てて功を譲(ゆず)ることです。 こうすることにより、相手をよろこばせ、感謝されるのですが、そのことによって、相手も自分自身も、幸せを引き寄せることができるのです。 

反対に、「俺が、俺が」と出しゃばったら、相手は怒ってしまうし、周囲もそんなあなたに冷たい視線を向けるでしょう。 しかし、手柄を相手に譲ることは、そう簡単ではありません。 

戦国時代には、敵の武将に最初の一太刀(ひとたち)を浴びせた男と、その敵を最後に仕留めた男が、互いに手柄を譲らず、決闘になって、殺し合うのがふつうでした。 現在でも、出世がからむ場合など、容易に勝ちを譲ろうとはしないでしょう。

だからこそ、相手に花を持たせる度量の持ち主が、上の人から注目される存在になっていくのです。 とはいえ、相手に花を持たせたことを、上の人がしっかり気がつき、認めてくれるかという不安があるのも事実です。 

長い目で見ようとせず、毎月の売上だけで社員を判断するような会社に入ったら、それこそ悲劇です。 だからこそ、目先の利だけに走った就職活動は、ときに大きなソンを生むこともあるのです。 そうなったら即、辞めないと、ズルズルと不幸の淵にはまってしまうでしょう。 

しかしふつうは、どんな会社にも信頼できる人の一人や二人は、必ずいるものです。 また、誰も見ていなくても、相手に花を持たせればいいではありませんか。 あなたの人間形成上、決して悪いことではありません。 

◆相手に花を持たせるとは、その人を立てて功を譲ったり、 人に名誉や手柄を譲ったり、相手に恥をかかせなかったりすることだ。 

何か議論になってしまったようなとき、あえて反論せず、「そうですね」と言って引き下がるようなこと。 ムキになってやり合えば、ケンカになってしまい、関係も悪くなる。 正しさを競って、相手をやり込めることができたとしても、何の得もない。 サッとやり過ごすことだ。 

「自分の方がすごいんだ」とか「私のがもっと知っている」と競うのは、傍(はた)から見ていて見苦しいし、人間が「小さい」とみられてしまう。 そして、人としての器の大きさが問われる。 だからこそ、勝ちをゆずることだ。

人と話をしていて、自分の方が多くしゃべってしまう、というのも同じ。 人の話をじっと黙って聞いている、出しゃばらないし、静かに控えている、ということは人間関係にとって、時に、とても大事なこと。

 相手に花を持たせる人でありたい。

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