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連絡のない遅刻

今日のおすすめの一冊は、井上裕之氏の『本物の気づかい』(ディスカヴァー)です。その中から『「気づかい」は人生を変える』という題でブログを書きました。

本書の中に「遅刻」について心に響く言葉がありました。

かつて、「飛行機が遅れて遅刻します」という理由で、よく打ち合わせに遅れてくるスタッフがいました。飛行機の遅延はよくあることです。それならば、飛行機が多少遅れても間に合うように早めの便を予約しておくか、もしくは、できるだけ前日に着いておくようにするべきです。
「電車が10分遅れて遅刻しました」 これもよくあることです。だとすれば、電車がたとえ遅れてもオンタイムに到着できるように、早めに待ち合わせ場所に到着しておくべきだと思います。
もし、どうしても遅れそうなときは、遅れる時間がたとえ1分であっても、「遅れるとわかった時点」で連絡を入れます。「間に合うかどうか微妙なとき」も同様です。私は電話か、LINEやMessenger などのSNSで先方に伝えます。 基本は「自分がされたらどう思うか」という視点で考えることです。やってもらっ て、自分がうれしいと思う行動を先取りして、相手に行うのが気づかいです。
早めに「20分遅れそう」と連絡をもらえれば、その20分を有効に使ってメールを数本打ったり、報告書に目を通すこともできます。 連絡がなく、いつ到着するかわからない状態で待つと、集中して何かをすることが できません。連絡のない遅刻は相手の人生の貴重な時間を奪うことにほかなりません。
ただし、こう言うと「私は、遅刻されても気にならない。だから、自分が遅刻するときも連絡を入れない」という人もいます。 ビジネスでは、こうしたずぼらな考え方は通用しません。「精度の高い仕事になっているか」「関係性を良好にする行動か」という視点が必要になってくるのです。いつも精度の高い仕事をし、人間関係に気をくばっていれば、失敗をしたとしても、責められることはなく、自然と人間関係は良好になります。
私は定期的に動画を配信していて、そのための収録を東京で行っています。めったにないのですが、あるとき、収録の日にちを「一週間後」と勘違いしていたことがありました。当日、私が収録スタジオに来ないため、スタッフから電話で連絡がありました(ス=スタッフ、井=井上)。
ス「どうされましたか?」 井「えっ?」 ス「今、スタジオでスタンバイしています」 井「来週だと思っていました。申し訳ない」 ス「大丈夫です。借りたスタジオはなんとかします。井上先生に何かあったかと思って心配しました。ほっとしました、よかったです」
当日のキャンセルになってしまったのにもかかわらず、スタッフは私をひとことも 責めませんでした。さらに、「リマインドのメールを送らず、申し訳ございませんでした」と言っていただきました。 その言葉は、思いやりにあふれていました。
なぜ、このような対応をしてくれたのか。それは、普段、時間に几帳面で、「遅れるときは必ず連絡を入れる」という気づかいを私自身が習慣にしていたからだと思います。普段の心掛けによって人間関係は強固になり、たまの遅刻や勘違いによって大きなひびが入ることはないのです。

自分が遅刻しないことを心がけるのはもちろんですが、万が一遅刻しそうなときには連絡を入れるというのは本当に大事なことです。それとともに、相手が遅刻したきたときの、待っていた人の態度(第一声)もとても大事です。

もし相手が遅刻してきたとき、「こんなに待たされちゃったのは初めてです」とか「この待たされた時間、どうしてくれるんですか」などと相手を詰問したらどうでしょう。相手は、その時は謝ったとしても、もう二度とこの人とは会いたくない、と思うでしょう。

逆に、「いえいえ、全然大丈夫でしたよ。何かなくてよかったです」とか「たまっていたメールチェックしていたのでかえって仕事ができました。気にしないでください」などと温かい言葉を掛けられたらどうでしょう。どちらの人とまた会いたくなるか、言うまでもありません。

人がミスしたとき、それを受け止める態度で、人の器の大きさがわかります。度量の大きな人でありたいと思います。

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