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海外における手工芸品の印象とは? 北米とヨーロッパを比較・考察してみた

みなさんこんにちは。リアルジャパンプロジェクトです。
今までの記事で、「海外進出は思っているほど難しくない」とお伝えしました。そしておすすめの海外展示会などもご紹介してきましたね。ところで、ヨーロッパや北米では手工芸品がどのような位置づけなのか、どのようなモノがあるのか気になりませんか? ヨーロッパはとくに歴史が長いので、日本のように伝統を継承することを大切にしています。今回は、北米とヨーロッパをそれぞれ考察し、異国の手工芸品について一緒に学びましょう!

ヨーロッパの伝統工芸は何がある?

日本には、都道府県ごとにその土地や技術を活かし、古くから受け継がれている伝統工芸品があります。同様にヨーロッパにもたくさんの工芸品が存在します。
たとえば、フランスにはパスマントリー(タッセル)やブティ、リモージュ焼、カルトナージュなど多くの手工芸品があります。
150年以上の歴史を持つとされるパスマントリー(タッセル)は、刺繍糸やビーズなどを使用して作られる優美な飾り紐のこと。特別な機械などはいらず、手軽にできるのでたくさんの人に広まったのだろうと感じます。邪気を払い、お守りとして持っていた人も多かったのだとか。

17世紀頃から盛んになったブティとは、キルトを使用した刺繍技法のことです。立体的にふっくらとした出来上がりは、今でも多くの人に愛用されています。

1770年代頃から、フランスのリモージュという地域で作られるリモージュ焼。完成した白地の器に絵付けをし、さらに焼き付けを行います。そのためきめ細かい表面に仕上がり、よりエレガントな印象を与えます。

起源は18世紀頃と言われているカルトナージュは、厚紙で作った箱に布を貼った伝統工芸品です。貴族の女性の間で流行したとされ、いまではジュエリーボックスだけでなく手帳やブックカバーなどもカルトナージュ技法を使って作られているようです。こちらも紙やお気に入りの布さえあれば、誰でも始めることができます。

フランスには多くの名窯がありますが、ご紹介したように素材だけを準備したらあとは手作業で作れるクラフト商品も多いことが分かります。このように、昔から「手作りをして楽しむ」という考え方があり、今でもその気持ちを継承している人が多いのがフランスでしょう。
フランスだけでなく、くるみ割り人形などといった木工芸品や錫を用いた錫工芸品、世界的に有名なチェコガラスを作ったチェコなどヨーロッパは手工芸品大陸と言えるほどの市場です。


北米にも伝統工芸品は存在する!?

北米は長い間先住民が暮らし、その後大陸が発見され発展していきましたが異国から移住をしてきた人が多く、今でもミックスされた文化が特徴的です。おそらく伝統工芸品がたくさんあるわけではないと思いますが、ネイティブアメリカンが魔除けなどとして作っていたドリームキャッチャーは代表的な工芸品と言えるでしょう。
柳の枝と糸を使って作られるドリームキャッチャーは、今や日本でも見ることがありますよね。また、先住民のインディアンがトーテムポールという木造彫刻を門柱や記録のために作ったそうです。北米の先祖たちは手作りのモノを通して当時の生活スタイルを伝え、未来に繋いでいったのだろうと考えられます。

ヨーロッパと北米どちらに販路開拓するべき?

どちらが絶対にいいとは一概にも言えませんが、2015年から海外販路開拓事業を開始している私たちがおすすめするのは北米です。
「伝統工芸品があまり存在しない北米の方たちは、職人技術について興味を持たないのでは?」という声もあると思いますが、それが逆に知らないから興味を持ってくれるのです! NYの展示会に出展した際も、バイヤーの方達は珍しい日本の工芸品を見て興味深く質問をします。移民の多い北米は多文化だからこそ、違いをどんどん受け入れてくれる印象です。そのため、質問はたくさん来ると思うのでしっかり背景を話せないといけないでしょう。
しかし昔から今も変わらずたくさんの素敵な工芸品があるヨーロッパでは、すでに日本の工芸品知識がある人もいるでしょう。そのため、共感や理解してくれる部分が多いかもしれません。中にはクラフトマンシップについてプライドを持っている方もいると思いますが、上手にコミュニケーションが取れれば商談成立するのでは。

商談をする際の3つのポイント

1.ファーストインプレッションが大事! 目をみて笑顔で挨拶をする
海外の方は、アイコンタクトと最初の挨拶がコミュニケーションにとって重要なツールとされています。慣れないかもしれませんが、相手の信頼を得るため心を開いてもらうためにやってみてください。また、様々な人が出入りする北米ではとくに笑顔で話すことも大切です。ある意味警戒心の強い人が多い国なので、まずは「怪しいものではない」ということを間接的に伝えましょう。

2.内容は、ストーリーをしっかり伝えること
工房や窯元があるヨーロッパと工芸品があまりない北米の方達へ商品説明する際に共通して言えるポイントは、内容をしっかり伝えること。いつから、どこで、どんな素材で、独自のこだわりは何かなどブランドの世界観が伝えるように話しましょう。とくに文化が混合する北米では、お互いの文化を尊重し合う傾向にあるので誇りをもって素晴らしい点を発信できたら、購入に繋がるはずです。

3.商品の良さがより伝わる工夫を考える
数ある商品の中から、興味を持っていただけたらあともう1プッシュ! 
できたらサンプルを渡して使っていただくか、その場で実演をして購入後のイメージを与えてみてください。どうしても使い方が分からなければ、バイヤーさんも卸先に商品の良さを説明できないと思います。もし実演などが難しければ、動画を見てもらうのもいいでしょう。
きっと熱い思いは、言語や国境を越えて伝わると思うのです。

まとめ
今回は、ヨーロッパと北米の手工芸品における特徴についてご紹介しました。商品がどこの国の人達に需要があるのかは正直分かりません。アメリカで売れなかったから、違う国でも売れないということはないと思います。実際に現地の人達に商品を見せて、意見を聞くことが海外販路開拓を成功させるカギです。まずは一度挑戦してみて、様々な感性を持つ海外の方の感想を聞いてみましょう。そこから本当に需要のある国はどこなのか、明確になるかもしれませんよ。
それでも最初はサポートしてもらいたい、という方はぜひ弊社にご連絡くださいませ。海外販路開拓サポートを始めて8年目になり、様々なノウハウをご共有することができます。ぜひ一度、不安点や不明点などをお聞かせくださいね。
リアルジャパンプロジェクト オフィシャルサイト (realjapanproject.com)

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