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「冤罪ごり押し…恐ろしい」検察に吹き荒れる逆風 袴田さん再審で有罪立証するのは結局「メンツ」のため?:東京新聞 TOKYO Web


- 「冤罪ごり押し…恐ろしい」検察に吹き荒れる逆風 袴田さん再審で有罪立証するのは結局「メンツ」のため?:東京新聞 TOKYO Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/263034

◆それでも有罪立証を選んだことは、世間を驚かせた

静岡一家4人強盗殺人事件で死刑が確定し、再審開始が決まった袴田巌さん(87)について、「有罪立証」の方針を示した検察への逆風が収まらない。すでに無罪の公算が大きいのに訴追を続ける背景には、捜査機関の証拠捏造ねつぞうに言及した再審開始決定に対する「メンツ」があるとの見方が専らだ。高齢となった袴田さんの審理を長引かせず、迅速に進める方法はあるのか。(西田直晃、大杉はるか)
◆それでも有罪立証を選んだことは、世間を驚かせた
 「すでに決着はついたはずだ。この期に及んで何を言い出すのか」
 袴田さん弁護団の戸舘圭之弁護士は憤りを隠さない。検察に有罪立証方針の撤回を求める声は日に日に増加。ウェブサイト「Change.org」で戸舘氏が8日から募ってきたオンライン署名だ。
 13日夕の時点ですでに4万5000筆を突破。3月に東京高裁の再審開始決定を受け、特別抗告断念を求めた署名より速いペースで増え続ける。賛意を示すコメント欄には、検察への批判の言葉が並ぶ。
 「時間(命)をこんなに奪っておきながら、いまだに冤罪えんざいのごり押しをすすめる検察側…恐ろしい」
検察の有罪立証方針の撤回を求める署名ウェブサイト
 「もうこれ以上袴田さん姉弟をいじめるな!」
 とりわけ目を引くのが、検察の「メンツ」に触れている投稿だ。

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◆裁判所に「証拠の捏造」言及されたから

◆裁判所に「証拠の捏造」言及されたから
 東京高裁の再審開始決定は、検察が犯行時の着衣とし、死刑判決の根拠となった「5点の衣類」について「袴田さんの着衣であることに合理的な疑いが生じる」と退けた。事件の1年2カ月後に見つかった衣類を巡っては、第三者がみそタンク内に隠した可能性に触れた上で「捜査機関の者による可能性が極めて高い」とまで付け加えた。証拠の捏造に言及したのだ。
ドライブで寺を訪れ手を合わせる袴田巌さん(袴田さん支援クラブ提供の動画から)
 再審開始決定後、検察は最高裁への特別抗告こそ断念したが、再審公判での立証方針の検討に「3カ月を要する」と表明していた。戸舘氏は「先延ばししても無実は明らかだが、検察が『捏造はなかった』という格好に最終的にしたいがための後知恵だ。5点の衣類の評価について、別の専門家に鑑定してもらっているようだ」と語気を強める。

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ジャーナリストの江川紹子さんも

ジャーナリストの江川紹子さんも「検察が有罪を立証するとなれば、再審公判であらゆる証拠を吟味し、事件を総合的に判断し直すことになりかねない。数年単位を要するあり得ないことが起きてしまう」と先行きを危ぶむ。

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◆「検察は市民の良識に逆らった」

 そもそも過去のケースに照らせば、再審公判が開かれた時点で無罪となる公算が大きい。戦後の四大死刑再審として知られる免田、財田川、松山、島田事件が典型的だ。検察は捏造を認めたくないだけだと見抜かれているから、余計に逆風が強まったのか。

 再審に詳しい甲南大の渡辺修特別客員教授(刑事訴訟法)は「多くの人が指摘するように、検察にとってはメンツを気にしてのことだろう。警察の捜査を守らなければ、言うことを聞かなくなるとでも思っているのでは。大きな誤りだ」と語り、こう強調する。

 「訴追権を持つ検察は、捜査権を持つ警察に歯止めを掛ける立場にある。これまでに修正する機会は何度もあったのに、今回も権力の乱用という道を選んだ。市民の良識に逆らっており、誰も納得できないはずだ」

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◆デスクメモ

過去の再審事件を見ると、当事者は「再審開始決定」のときに喜びを爆発させている。日本では長い長い再審請求審が主戦場で、その後はほぼ無罪になると知っているからだ。再審公判で検察が争った例もあるが、フルマラソンで勝負がついた直後に、もう一度走る意味はあるのか。(本)

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