稼働率100%男が、稼働率100%をやめるジャーニー
この記事は、2019年2月26日に株式会社ヴァル研究所で開催された 、『Devlove カイゼン・ジャーニー発刊1周年記念イベント「私たちのジャーニー』 で発表したスライドおこしになります。
複数のメディアを運営する、IBIという会社で、エンジニアをしています。
IBIの特長は、圧倒的な営業力(行動量)で、ニッチエージェントに入り込む会社です。
圧倒的な営業力、すなわち営業会社です。KPIは、1日1人の家電数がX件。
作業を単純化し、人数を増やしも稼働率をいかに上げるかが肝になります。
振り返って、私の社会人人生は、稼働率100%を目指すことをしてきました。
そんな考え方で、システム開発をすると
システム開発のチームのミッションは、「CV(コンバージョン)するもを大量に届ける」となります。
施策としては、外注の稼働が100%になるように管理することです。そしてKPIは、1Qのリリース数になります。
この施策をすると、予算分めいっぱい機能を詰め込みます(バッチサイズが大)。そして、数か月後、外注先から上がってきて、受け入れ検証でまた数か月、いつまでたってもリリースができません(リードタイムが長い)。そして、最悪なのが、時間がたってしまうので、「その機能いらなくなりました」となってしまいます(在庫過多)。この現象、そう、The Goalに書かれている、事例と一緒です。
これはいけないと思い、とりあえず、「予算に縛られるからいけないでは?」と考えました。
そこで、契約を、月額契約に変えました。1か月事に、各メディア、やりたい時に、やりたいだけ、開発をする方針です。バッチサイズは中ぐらいなりました。しかし、外注の稼働率を維持するために、どうしても「今月何かない?」ということで、結局作りすぎは解決できませんでした。
そこで、内製化をすることにしました。
内製化で、スケジュールを週毎にしました。これでバッチサイズは最小化されました。また、メンバーの能力差の限界で、作りすぎ自体の無駄がなくりました。この時は、まだ、各人の稼働率が100%になるように、仕事をしてもらっていました。
カイゼンはされましたが、新たなる問題が。人一人づつ、稼働を100%にさせるため、能力差によって、作業の量が違っています。そのため次の問題が発生しました。1)新人は、一生レベルアップできない。2)中位の人は、残業で頑張る。3)できる人に仕事が集中。チーム崩壊寸前状態です。
この状態になって、はじめて、自分の社会人人生そのものが間違っているのではないかと、考えはじめました。その時、ふと、以前聞いた、黒田さんの「フロー効率とリソース効率」のことを思い出しました。
効率というのは、2つあります。「リソース効率」と「フロー効率」がです。リソース効率は、「稼働率が100%になるようにする」ことです。フロー効率は、「機能リリースのリードタイムが短い」ことです。上の図で、色がリリースする機能、横一マスが週、行が人、1マスの数字がその人が働いた量です。両者とも、リリースする機能は3つです。稼働でみると、上は、全員が完全に100%働いています。下は、貴瑠碑君の2週目は全く働いていません。ただ、CVでみると、上はすべてがリリースするまで、CVしません。しかし、下は1週目に1つ目の機能をリリースしているので、2週目からCVすることができます。
そこで、僕のチームでも、フロー効率を目指すことにしました。そして、ミッションは、「1日でも早くCVするものを届ける」としました。
KPIとしては、チームの月間リリース数としました。できる人は、オバー分、カイゼンや新しい技術の習得に充ててもらうようにしました。そして、チームのリリース数をオーバーいたら、みんな、帰ろうと。不公平感と、残業は大分減ったかとを思います。でも、まだ進歩の問題が残っています。
進歩の解決をすべく、完全チーム開発に現在取り組んでいます。ペアプロで、すごい人に学ぶ形式です。
カイゼンの中で、成果は出始めています。しかし、Ver3になってからは、停滞しています。
でもまぁ、これは、新施策と一気に入れ込んでいるためなので、しょうがないと考えています。
もちろん、施策をかえただけでなく、カイゼンジャーニに書かれている事を導入したりしています。因みに、特に、効いたのは、「リモートワーカーの増員」です。
まとめます
稼働率100%は、ケースによっては、悪いスパイラルに入る可能性があります。常に自分たちのやっていることに、疑問を持つ必要があります。そして、効率には、「フロー効率」と「リソース効率」があります、ケースバイケースでどちらを目指すか、選択してください。そして、ジャニーはまだまだ続きます。今は、チームと共にに。
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