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第4回全国俳誌協会新人賞神野紗希奨励賞「watercolor」

飛び石をとび対岸のはつなつへ
六月の風はみずいろ水彩画
思春期のすこし手前の水鉄砲
かみさまが配置を決めたひつじ草
金魚玉も宇宙の淵も透明で
およいだりおよがされたりしてくらげ
噴水の水が覚えているかたち
たましいは水饅頭の餡のいろ
美しき仮死状態の水中花
しにたいと言って死にたい蛍の夜
梅雨の星ひつぎはからだのみ運ぶ
涼しさはたくさん泣いたあとのこと
夏怒涛前世は人魚だった泡
夕凪が来て幽霊は去るだろう
みなとみらい空は花火を忘れゆく

池田宏陸

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