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創業1年で4回ピボットしてECストア事業に辿り着いた話

株式会社Palfit代表の増田です。

タイトルにある通り、もうすぐで創業して1年になるのですが、これまで4回のピボットを繰り返してきました。

創業したての頃は、1年後(つまり今現在)は月商1000万円を超えているはずでしたが、そんな上手く行かないなと強く感じています。

この1年もちろん楽しいこともありましたが、正直しんどいことだらけでした。自分の無力さのせいで上手く行かないこと、周りの仲間を裏切ってしまうこと、お金が底を付きそうになることなど、色々ありました。もちろん、全ての失敗は結果を出すまでのプロセスだと分かっているので、当然ですが全くへこたれておりません。

この1年の振り返りとそこからの学び、現在注力している事業の話をしたいと思います。

2020年6月:サイバーエージェント退職

2020年6月、ちょうど一年前に新卒で入社した株式会社サイバーエージェントを退職しました。ちなみに僕はABEMAのバックエンドエンジニアとして広告配信サーバー、配信ロジックに携わっていました。

中にいる時はあまり分かりませんでしたが、外に出てからサイバーエージェントという会社とOBOGの凄さに圧倒されるばかりです。本当にすごい会社だと思いますし、この会社で働けたことが誇りです。

2020年7月:株式会社Palfitの創業

2020年7月に株式会社Palfitを創業しました。「ボディメイクを楽しい経験に変える」という強い思いしかなく、事業は全く決まっておりませんでした。

2020年9月:事業を見つける

創業をしてから1ヶ月半ほどは、事業を考えてはビジネスの先輩方と壁打ちをして、事業を模索していました。結果「お弁当D2C事業」をやることに決めました。

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「やるぞ!」と決めてから1ヶ月の間に調達を行い、5人の仲間が集ってくれ、世界初の技術で弁当を製造できる工場とも繋がり、最高のスタートダッシュを切りました。そして、リリースに向けて色々な準備を進めました。

・メニュー開発(10種類)
・容器・パッケージ選定
・試作開発
・ブランド構築
・各種デザイン作成
・ECカート開発
・フルフィルメント業者提携
・マーケティング準備
・エクイティ・デッド 調達準備

D2Cは誰でも始められるとよく言われますが、本当に大変です。色々な方に助けてもらいながら、リリース準備を進めました。

2021年1月:事業撤退

しかし開始5ヶ月目にして、事業のピボットを決めます。

理由は色々ありますが、最大の理由は「これを誰が買うのかさっぱり分からなかった」ということに尽きます。

・弁当1食の原価が850円になってしまい、これ以上下げられなかった
・繰り返しの試作の結果の弁当に対してメンバーの誰一人美味しいと言わなかった
・上記を通して工場との関係が完全に悪化してしまった

当時は早くリリースしないといけないプレッシャーと、全くプロダクトが出来上がらない現状にかなり苛立ち、疲弊していました。そして、リリースすることなくお弁当D2C事業を辞めることに決めました。

2021年2月:ドレッシングD2C事業

この頃、以下のnoteを出しました。やはり食の世界でウェルネスを作り出して勝負していきたいという想いが強く、お弁当D2Cの反省を活かして、食×D2Cの領域内でピボットすることを決めました。

そして、たどり着いたのがドレッシングD2Cでした。お弁当事業中に感じた「野菜不足」という問題と、リアルフードは「原価が高い」「送料が高い」という事業上の問題を一気に解決できる、今思い返してもナイスなアイデアでした。

しかし、検証を通して「ドレッシングに課題はあるが、無視できるくらい小さい課題でしかない」ということが判明して、この事業からも撤退を決めました。

2021年3月:サラダデリバリー事業

次は「よし、それならサラダだ!そしてサラダは輸送に向かないからデリバリーしよう!」というアイデアでサラダデリバリー事業を検証してみることにしました。

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結果、この検証で15000円くらいの売上を上げました。(創業以来初めての売上で本当に嬉しかったです)

しかし、デリバリーというモデルと生野菜という商材のコンビネーションの悪さからユニットエコノミクスが全く成り立たず、この事業も辞めることになりました。

2021年4月:睡眠事業

「ウェルネスパートナーになる」という想いが強かったので、食だけではなく睡眠や運動など、ウェルネスに関わる領域を広く見るようになりました。その中で、睡眠こそ我々がウェルネスを感じるために一番必要で、かつ一番足りていないものではないかという考えにたどり着きました。

オーラリングのようなガジェットや睡眠のコンサルティングなど色々な事業を考えて実行をしようとしましたが、ここらへんで会社の資金が危うくなってきました。

全部ダメだ...

もう何をやってもダメ状態になり、メンバー間でギクシャクすることも増えてきて、完全にどうしよう状態になりました。メンバーも1人だけになり、それでも信じてついてきてくれる彼に対して完全に方針を示せずにいる自分がいました。

自分達の強みに立ち返る

お世話になっているmintの岡澤さんから「今すぐに価値提供が出来る強みに立ち戻れ」というアドバイスを受け、色々と考えました。自分たち特有の経験を振り返るとこの2つが出てきました。

・元エンジニアであること
・元D2Cプレーヤーであること
・英語が問題なく使えること

僕は学生時代から5年10社でエンジニアをしていた経験があります。中山も新卒で入った会社を辞め、TECH CAMPで本気のエンジニア修行をした正真正銘のエンジニアです。そして我々はともにD2Cのフィールドで戦ってきました。さらに2人とも英語ができます。

D2Cをやってきた経験で「ECストアの構築に苦労しているブランドが多い」という感覚を思い出しました。特に世界最大のECプラットフォームであるShopifyは、エンジニア力と英語力が必要で、開発に苦労するブランドが特に多かったです。

ECストアは、売上やマーケティング、ブランディングの全ての中心に存在するD2C・ECには無くてはならない存在だからこそ、それが肌で分かっているからこそ、挑戦するブランドを自分たちの力で応援したいという想いが強く湧き上がってきました。

今まで明らかに感じていた課題と、自分たちだからこそ解決できる強みが上手く掛け合わさった瞬間でした。


Shopify ECストア構築・運用事業


これが我々がこれから本気でやっていく事業です。

この1年で学んできたこと

この1年色々な挑戦をして失敗をし、学んできました。もちろん、まだまだ結果は全く出ておらず、もがき苦しんでいる最中です。しかし、いい区切りなのでこの1年の学びを振り返ってみたいと思います。

これは僕が好きなGacktさんのインタビューです。「失敗も成功も存在しないよ、全てがプロセスなんだよ」という考え方がすごいしっくり来ております。

学び① 広く証明されているアンチパターンは絶対避けられる

「やってみて失敗して学んだパターンが、既にY Combinatorがアンチパターンとして紹介しているものだった」

このパターンに何回も遭遇しています。

Y Combinatorは様々なスタートアップを見ているので、色々なアンチパターンを持っています。例えば「ローンチを先延ばしにすることは悪だ」とか「なるべく人を雇うな」というパターンです。

僕はやってみて失敗してこれに気づいたのですが、先に知識があれば防げた話だと感じます。

また、以下はMVPや検証の考え方なのですが、D2Cだからリリースするまで検証できないというのは完全に思い込みで「人々が欲しがらなかったものを作ってしまった」というのが失敗の最大原因なのであれば、検証して角度を上げて進めていくのは当然のパターンです。

僕は、一気に人もお金も時間も投資して、人が欲しがらないものを作るという失敗をしました。これも知っていて深く理解していれば防げた話だと思います。

自分がやってみて学ぶというのが学びとしては一番大きいですが、コストが高すぎます。人が経験したことから学べるのならばそれが圧倒的に早く安いはずです。

学び② お金は大切

お金は本当に大切です。

当たり前だけれども、僕は全然分かっていませんでした。

ロマンとソロバンと言いますが、僕は本当にロマンの力だけで戦おうとしていて、結局減っていくお金の中で不安感が挑戦心を上回ってしまい、挑戦し続けられなくなってしまいました。

前職、サイバーエージェントのABEMAがこれだけ長い期間、大量のキャッシュを突っ込んで戦っていられるのも、お金があるからであって、挑戦していくためにはお金は不可欠だなと強く感じました。

LayerXの福島さんもこんなことをおっしゃってますが、僕は自滅しました。だからこそ、次は絶対に自滅したくない。挑戦し続けられるソロバンとロマンをきちんと作っていこうと感じています。

学び③ 仲間は大切。特に共同創業者は。

2020年11月にジョインしてくれた中山と、かれこれ6ヶ月以上一緒にやっています。

彼がいたからこそここまでやってこれたし、これからもやっていけると強く思っています。とても熱い一面と、とてもスマートで頭が切れる一面と、ちょっとお茶目な一面を持つ彼とタッグを組めることにとても幸せを感じています。それとともに、彼の最高の人生を創り出すべくPalfitという箱をもっともっと育てていかねばという強い責任感を感じています。

創業1ヶ月で感じていましたが、これは1年経っても全く変わらないどころか、圧倒的確信に変わっています。

学び④ やはり夢とロマンは大切

僕はワンピースしたいから起業をしました。仲間とともに情熱を持って夢を本気で追いたいからです。

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「ボディビルを楽しい経験に変えたい」「ウェルネスパートナーになりたい」

今まで語ってたことは全部自分の嘘偽りのない想いですし、諦めたわけでも何でもありません。

もちろん「Shopify ECストア構築・運用事業」も可能性を感じています。この可能性をもっともっと大きくして言語して心から言えるように頑張っていきます。

でっかい夢を語り続けられる、そして実現し続けられる、Palfitはそんな存在でありたいです。

最後に

Shopify ECストア構築・運用事業を初めて、目の前の人に価値を与えて喜んでもらえることが本当に嬉しいことであると噛み締めています。自分たちの強みを提供して感謝されるのは本当に幸せなことです。

繰り返しになりますが、ECストアは、売上やマーケティング、ブランディングの全ての中心に存在するD2C・ECにはなくてはならない存在だからこそ、それが肌で分かっているからこそ、挑戦するブランドを自分たちの力で応援したいという強い思いがあります。やるからには、本気でD2Cブランド・ECブランドを応援したいです。

最後になりますが、

Shopify・ECストア・D2Cで困っている方は是非ご連絡下さい!また、周りに困っている方がいれば是非紹介ください!

2年目も全力で前に上に進んでいきます!応援よろしくお願いします!

株式会社Palfit 代表取締役CEO 増田大夢

Twitter:https://twitter.com/hiromu_bdy
Facebook:https://www.facebook.com/masuda.hiromu

※ 株式会社Palfitは2021年10月に株式会社ECPowerに社名変更を行いました。
株式会社ECPowerホームページはこちら

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