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3位決定戦の思い出

ワールドカップもついに残り2試合となりました。
今夜は3位決定戦のモロッコVSクロアチア。

実は私は、元々3位銅メダルに一定の価値を置いているオリンピックならともかく、世界一を争うワールドカップにおいて3位決定戦は不必要だと思っていますが、時には優勝という呪縛から解き放たれた高レベルの2チームが生き生きと素晴らしいサッカーを披露して感動的なゲームを繰り広げることもあるので、エンターテイメントという部分においては一概に否定はできないかもしれません。

ちなみに「3位決定戦」で忘れられないのは1990年のイタリアW杯ですね。あの時の準決勝は西ドイツVSイングランド、アルゼンチンVSイタリア。
結果的に両試合とも1-1のドローで、PKにより西ドイツとアルゼンチンが決勝に進みました。(ちなみに前回メキシコ大会と同一カードの決勝戦となりました)

イングランドとイタリアを応援していた私は最悪の結果にかなり落ち込みましたが、この時初めて3位決定戦という形で両チームの試合がもう1試合観られることに救われた気がしました。

そしてそのイングランドVSイタリアは、荒れに荒れてサッカーのレベル的にも凡庸とされた西ドイツVSアルゼンチンの決勝戦の数十倍素晴らしい試合でした。

メンバーを見ても、イングランドにはリネカー、プラット、ガスコイン、ピーター・シルトンらがいて、イタリアにはロベルト・バッジオ、スキラッチ、バレージ、マルディーニらがいて、華やかさでもクリンスマン、リトバルスキー、ブレーメ、マテウス(西ドイツ)、マラドーナ、ブルチャガ、ゴイコチェア(アルゼンチン)に全く引けを取りません。

当時のイングランドって暴力的なフーリガン問題が最悪の頃で、この大会も島に隔離されて試合をせざるを得なかったほどでしたけど、サッカーチーム自体は暴力的どころかリネカーに象徴されるように、闘志とフェアプレー精神に溢れ、ガスコイン以外は(笑)超紳士的でまさに「正々堂々」とした気持ちいいチーム。

対するイタリアも攻撃では天才ロベルト・バッジオが美しい輝きを放ち、守備では達人たるバレージ、マルディーニが相手のチャンスをことごとく潰し、肝心なところではサルバトーレ・スキラッチというニュースターがゴールを決めて勝つといううっとりするような魅力的なチーム。

試合展開としては長く一進一退が続いた後、後半にバッジョが先制点を上げてイタリアがリードしますが、不屈のイングランドがその後プラットのゴールで追いつきます。しかし最後は残り5分でイタリアが得たPKをスキラッチが決め、地元開催のイタリアが3位を獲得したという内容でした。

今考えても、イタリア大会の3位決定戦はサッカーファンに対する素晴らしいプレゼントでしたね。

今夜のモロッコVSクロアチアが観ていてワクワクする試合になるといいですね。

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