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記録:4 告知のあとには髪を切る

入院・手術をしてから1ヶ月半が経ちました。
自宅に帰ってから体調が思わしくない日も、比較的元気な日もあり毎日ころころ変わる体調に落ち着かない日々を過ごしています。最近は家事もできるようになり、仕事量も少しずつ増やしています。できることが増えてくると元気も出てきますね。
でも手術をしてお腹の中が空っぽになって、今まであったものがなくなる。それはやっぱり簡単に解決できる問題ではないのだなと。
少しずつ慣れていくしかないし、きっと時間が解決するのでしょう。

今回も前回の記録の続きです。
入院決定から入院までの話。この間、初めて身近に死というものを意識しました。あまりにもさらっとされた告知。やはりそれはとても恐怖でした。

術前検査とPETーCT

入院が決定したあとは術前検査が始まりました。
血液検査、心電図、肺機能検査、レントゲン、超音波検査などを一通り。とくに何か痛いとかそういうことは一切なく、ぐるぐると病院内をまわります。

今回腫瘍がとても大きかったので、先生は手術の方法を少し悩んでおられました。もしも悪性だった場合、腹腔鏡手術だと卵巣内の液体が溢れて腹腔内にばら撒かれてしまいます。開腹手術だとその心配はありません。
それまでの検査では判断材料が腫瘍マーカーしかなく、万全を期すためにPETーCTを受けることになりました。

PETーCTの詳しい解説はこちら

要約すると全身のがんを調べる検査です。
注射をして安静後CTで全身を撮影するとがんが疑われる部分がキラキラと光ります。こちらも痛いことは全くなく、寝ているだけで終了しました。

ただ、このPETーCTは費用がめちゃくちゃ高いことで有名。
1回の検査費用は保険適用で約3万円かかります。保険適用は入院が決定していたり詳しい診断が必要な人のみで、健康診断の一環で受ける場合は実費になると聞きました。実費だと10万円!
身体は痛くなくても、懐が痛む検査であることは間違いないです(悲)

検査結果とその時の気持ち

いろんな検査が終わり、最終的な決定と告知を聞きに再び病院へ。
何となく覚悟をしつつ、でもはっきり聞くまではわからないと思う複雑な気持ちと。何もかも終わった今思うのは、きっとこれまで生きてきていちばん「死」というものを身近に感じていたということ。

名前を呼ばれて診察室に入る。
先生が画像を表示しながら検査結果を私と夫に伝える。
お腹の腫瘍の周りに細長い鈍い光が写っていました。

「検査の結果、悪性が疑わしいので開腹手術にします」
「全ての臓器を今回切除するか決めてください」

「これはがんですか?」と先生に訊く夫。

告知って検査を繰り返すたびに「悪いものだと〜」と伏線を張られているから、案外ショックではないんだなと思いました。いつものようにちょっと緊張して笑っていました。

この時の診断は「卵巣がん、または境界悪性卵巣腫瘍」
子宮と両方の卵巣を取ることを決めて病院をあとにしました。

卵巣は開いて検査してみないとわからない臓器なので、良性の可能性もありますとも言われていましたが、帰りの車の中で怖くなってぽろぽろ泣きました。
卵巣がんは5年生存率の高い病気です。すぐ死に直結することはないとわかっていても、がんならまだまだ治療が続くうえに、場合によっては長く生きられないかもしれない。

今までの日常がなくなる。
今思い返しても「恐怖」でしかありませんでした。

そして髪を切る

以前、記事にも書きましたがこの告知のあった週末にそれまで長く伸ばしていた髪をショートボブにカットしました。
入院中邪魔にならないように、これからまた頑張って伸ばせるように。

この時の記事はこちら

この時はまだ検査直後だったので、その時の様子や気持ちが率直に綴られていますね。
実際入院中は髪を切っていて正解でした。

この後、コロナのPCR検査を経て21日に無事入院となったのでした。

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