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グレタが語るヌーディスト・パーティー


今朝のswelogの記事を編集して転載したものです。

「どこの国の政治家であっても、政治家というものは似たようなもの」。グレタ・トゥーンベリは昨年、ニューヨークの国連でのあの怒りのスピーチに始まる世界を駆け巡った長い旅を振り返り、そう切り捨てる。

「みんな(私と)一緒に写真を取るために列をなし、インスタグラムにアップしてもいいかと質問し、もっともらしい気候関係のタグをつけてアップして、少しは罪悪感が軽くなったことに胸をなでおろす」

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スウェーデンの今年の夏至祭は例年とかなり違っていた。もちろんコロナのせいもある。

クリスマスやイースターとは異なり、夏至祭は家族だけでなく地域の人が集まり、着飾り、踊る、年に一度の大きなお祝い。それがなくなった寂しさはもちろんある。

でも身を持って感じた本当の違いは、そのあたたかすぎた夏至祭の夜だ。夏を祝うお祭りにも関わらず、例年なら寒くてなぜかいつも雨が降り、みんな毛布を被りながら、それでも無理して寝ずに一年で一番日の長い日を祝う。そんないつもはちょっと苦行のような夜が、昨夜はとても「心地よかった」のだ。

思えば今年の元旦も今朝と同じように「昨日ちょっと飲みすぎたなぁ」と思いながらゆっくりと起きてきて、ヨハン・ロックストロームの「冬の話」を聞いた。

昨日はもしかしたら「熱帯夜(夜でも気温が20度以上)だったのでは?」と思いながら、さて、ブログを書くかと思ってニュースサイトにいくと、ラジオ番組としては今日の午後1時から放送される予定のグレタ・トゥーンベリの「夏の話」の内容が、すでに「ニュース」となって、いくつものニュースサイトに掲載されている。

既に今朝7時からスウェーデン・ラジオのウェブサイトや、番組のアプリで聞くことができるようになっていたグレタの話。この「ニュース」記事にも概要はまとめられていたが、せっかくだから聴いてからブログを書くことにした。
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私はスウェーデン語版をアプリで聞いた。アプリでは残念ながら楽しみにしていたグレタが選んだ曲たちは、著作権の関係でさわり程度しか聞けなかったが、曲がなくても73分の長さを一人で語り、それでもまったく飽きることなく聞ける構成は、さすがグレタ。

話は、昨年の旅で彼女があちこちで受けた印象が経糸になっていて、いつもの辛辣な批判、皮肉もここかしこで炸裂する。一方、彼女や彼女の家族によせられる殺人を含めた脅迫についても、いつものしっかりした語り口で明かされる。

国連でのスピーチの後、多くの人から「おめでとう」とその内容を讃えられたが「なにがめでたいのか、なんの変化も起こってないのに」と自身の苛立ちについて語り、アメリカで「あなたのファンだよ」と寄ってきた人たちが、バカでかい車で立ち去っていくのを眺めもしたと話す。

グレタは「私たちの王様は裸だ、ひとり残らず。そして私たちの社会も大きなひとつのヌーディスト・パーティ」と締めくくった。あなたも裸のままでいますか?と。

グレタが訴えていることはいつも変わらず、ただ一つ。「科学者の言うことに耳を傾けて」だ。そうすると私達も裸ではいられない。

そして、このグレタの「夏の話」を最後まで聞くと、元旦の「ヨハン・ロックストロームの冬の話もどうぞ」、とおすすめされる。グレタの話もヨハンの話もちゃんと英語版もあるので、みなさんも裸はちょっと……と感じたら、まずはこの2本を聴くことからどうぞ! 

【追記・さっき夕食を作りながら英語版もと思って聞き始めたら、こちらはまったく音楽は入っていないことに気がつきました。スウェーデン語のページにはプレイリストがあるのでこちらのリンクもあげておきます。初めて聴いた曲で、それにスウェーデン語だけど、Emil Jensenの”Politiskt”がよかったです。
https://sverigesradio.se/sida/avsnitt/1515988?programid=2071


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