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リーダーズ講座は「デザイナーとして活躍する」を支援する、リアルで本気の講座だった

こんにちは!webデザイン専攻のデジLIG卒業生、HIROMiです。
普段は派遣デザイナーをしながら、web制作会社への転職を視野に勉強しています。

先日3/16に、デジLIGさんの新たな試み「リーダーズ講座」の第1回目を受講し、 デザイナーとしてのキャリアパスを描くのにとても為になる講座だと思いましたので、紹介します。

もしあなたが、

  • デジLIG在校生

  • webデザインをこれから学ぼうと思っている

  • webデザイナーとして転職したい

  • 制作会社の現場の、リアルな声を聞きたい

のいずれかに当てはまるのであれば、
ぜひおすすめしたい講座ですので、ご参考までに…。


リーダーズ講座って?

リーダーズ講座はこの3月からデジLIGで開講したばかりの講義です。
詳細はこちら↓

駆け出しクリエイターを本気で支援するため、 Webデザイン業界で10年以上活躍するプロを 講師としてお招きしたスペシャル講義

https://liginc.co.jp/studioueno/leaders-course

ということで、今後1〜2ヶ月に1回のペースで開催するそう。
初回はオンラインでの開催でzoomを使用し、講師の貴重なお話を聞きつつ、チャットによる質問もできる形式でした。
この3月に開講したばかりなので、受講の仕方は今後変わるかもしれません!デジLIGさんのアナウンスを要チェックです。

第1回目の講師「川端康介」さん

初回の講師は
株式会社nanocolor 代表取締役社長 川端 康介さんです。

そしてこちらは、開講にあたってデジLIGさんが川端さんへインタビューした記事です。


実はこちらの記事を読んで、この講座に興味を持ちました。
川端さんはインタビューの冒頭でこう述べています。

ほとんどのデザイナーにとって、「いかにビジネスの成果につなげるのか」に向き合う時間はお金になりません。成果ではなく、納品物という結果の数や質が対価・評価に影響するので、「いかに早くスムーズに要望通りに多く納品するか」が優先されてしまいます。

まさにおっしゃる通りです。

受注制作する会社にとって、デザインは商品です。売れなければ利益は出ない。顧客が満足するデザインを、効率よく提案し、たくさん納品し、しっかり売上に貢献することが当然優先されます。そのため、納期や予算によっては、顧客の嗜好に合わせたデザインを作るだけになったり、決めうちされた情報テンプレートをなぞりがちになることもありました。

しかし、それだけだとあくまでイイ感じのデザインが、ただできたことの満足感で消費されて終わってしまう。

川端さんはそんな現実の中でも、ちゃんとビジネスで成果をつくれるデザイナーを1人でも増やしたいと述べています。
私はこの意見に深く賛同しました。

デザイナーとして働いてきた自分が今必要だと思っているのは、ビジネスとして参画するデザインにもっと説得力をもって取り組むこと。

デザインする思考プロセスを、もっと論理的に分析して自分の言葉で伝えられるレベルまで高めることができれば、自分も顧客も納得できるアプローチをできるかもしれない。

そのためのヒントを、この講義から得られるでは、と期待し受講することにしました。

他にも今後の講師のインタビュー記事が出ていますので、ぜひ一度読んでみてください。


事前課題

今回の講座では川端さんから事前課題が設けられていました。
依頼主の本質的な問題を明らかにするためにどういう視点をもったらいいか、どういう提案をするべきか、化粧品会社やパン屋さんなどを例に考える課題です。
私はこの講義を知ったのが開講ギリギリだったので提出できなかったのですが、講義の中で一部の回答者にはフィードバックを行なっており、今後参加される方は事前課題があれば積極的に回答して提出した方がお得だなと思います!

充実した講義内容(気になった話題だけ抜粋)

今回川端さんが主軸としてお話ししたのは、
ブランディングとマーケティング

構成は

  • 「デザイナーとしてのコンセプトとパフォーマンス」

  • 大前提として大事なこと「ゴール、思考、知識」

  • 仮説思考について

  • デザイナーとして「ありたい姿」「あるべき姿」

  • 本日の座学「ブランディングとマーケティング」

  • 事前課題のフィードバック

と、かなり充実した内容でした。

スライドはなんと124ページにも及び、圧倒的情報量
時間の関係で一部省略されていましたが、
「ブランディングしたが効果がないという現象はなぜ起こってしまうのか」を初めの糸口として、ブランディングとはなにか、マーケティングとはなにかを論理的に紐解きながら、陥りがちな視点と適切なアプローチについて言及していました。
そしてデザイナーの視点で、どう戦略として落とし込んでいけるのか、それがどうスキルになり得るのかを私たちに提示してくれました。

どのスライドも情報の解像度が高く、2時間の講義があっという間と感じるほど。

今回はその中から特に気になった話題を少しだけ、
私の解釈も交えてご紹介します。

「仮説思考について」

これはテーマの前に大事なこととして触れていたことです。
川端さんは私たちにこんな問題をだしました。
以下のような数字が並んでいたとします。
1、2、3、4、5、?
?に入る数字はなんでしょうか?
おそらく6?あ、でも続きがありますね。こちらはどうでしょう?
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、?
おそらく13…でも一年は12ヶ月周期だから次は1かもしれない、まだ続きを見てみよう。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、?
?に入るのは25かな…でも1日は24時間周期だから次こそ1かも?この続きは?

このように、数字の羅列から?を推測するために、私たちは法則性を見つけたり、その法則性を確かめるためにその先の情報を見つけたり、また別の法則性を当てはめたりします。

川端さんはこのプロセスをPDCA(Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセス)に重ね、問題の本質を捉えるには仮説と検証が重要であると述べていました。
そしてそれに必要なチカラとして情報収集力・構造化力・抽象化力・論点思考力・水平思考力・批判的思考力・論理的思考力・アナロジー思考力を挙げています。

12345の次は6でも、12の次は1かもしれない。
そういった仮説と検証ができるチカラで問題の解決を導くことができていくと、人に真似されることのない希少性の高いスキルとなるのだといいました。

最初私は12の次は1かもとは思えませんでした。この数字をただの連続した数字だと思っていたからです。12ヶ月周期のことも全然頭になかった。川端さんの仮説思考では、まずこのような思い込みを取り除いてから始められることが第一歩となるのです。


「表層面のみのブランドの一貫性をもとめ、顧客との最適なコミュニケーションができていない」

こちらはブランディングが失敗してしまう原因の一つとして取り上げられていたことです。

川端さんは、「ブランディングにはブランド知覚のための一貫性が重要といわれているが、戦略に基づいた個々の戦術としてのコミュニケーション最適化も重要である」と述べました。

これは、まだブランドとして確立していないときからロゴデザインや各種デザインにおけるレギュレーション(マニュアルのようなもの)を細かく決めてしまうと、いざ色んな媒体で広告するときにその制約が足枷となって、広告効果が薄れる可能性を示唆していると思います。

実際に私が広告事業を行う会社でデザイナーをしていたころ、「自社のデザイナーさんにつくってもらったロゴをレギュレーションを遵守の上、デザインを作って欲しい」という依頼がよくありました。レギュレーションは、ブランドの品位やデザインの統一性を保持するために重要で、デザイナーとしてもあると方向性を決めやすく有難いものです。しかし、開業したての場合には少し違います。

例えば、ロゴマークの比率やアイソレーションが細かく決められている場合。これは多くのレギュレーションで制作されている事項だと思いますが、屋外看板や集合看板を作る際にその効果を得られなくなることがあるのです。

屋外広告や集合看板は手元で見られるチラシや名刺とは違って、ある程度離れた状況から見ることを前提としています。そして景観保持のために掲出できるサイズにも制限があることがあります。もし、そのサイズが正方形の時、ロゴマークに対してのロゴタイプが1行書きしか認められない場合、横長(もしくは縦長)のサイズで展開されるその全体を収めるためにはサイズを小さくしなければならないのです。するとどうでしょう。他の掲示物に比べ文字もロゴもロゴタイプも小さくなって目立たなくなります。

きっと「それをどうにかするのがデザイナーだろう」と思われるかもしれません。もちろん、レギュレーションに沿った上での最適化した案を出しますが、媒体に合わせてレギュレーションを一部脱して最適化した案を提出することも広告デザイナーとして必要だと思っています。せっかく予算を使って掲出するのであれば、最大限の効果を生むべきだと考えるからです。

だとすると、今後も媒体によってはその都度レギュレーションを変えていく必要がありそうですよね。このように、開業したてのブランドはその一貫性を最初に色々決めるより、いろんな展開をしていく中で徐々に決めていった方が良いこともあるのです。

確かに、一貫性を定めるブランディングは重要です。ですが、それはブランドの枝先が伸び広がって効果が生まれてきてからでも遅くないと私は思います。特に始めたばかりのブランドにおいては、まずは顧客に届く最適なコミュニケーションを図ることの方が重要なのです。

講義を終えて

私にとって今回の講義は期待以上であり、ビジネスという視点ではデザイナー以外の人、営業職や企画職を行なっている人も参考になるような話だったと思います。

また個人的に川端さんの講義で素晴らしいと思ったのが、講義に出てくる言葉が所謂ビジネスカタカナ語ではなく、なるべく日本語で分かりやすく表現してくれていたところです。講義の終盤で、ご本人もそれを意識していると言っていて、なるべく安易な言葉を使わないようにしているとおっしゃっていました。この意識はとても誠実な印象を受けるだけでなく、言葉一つひとつにしっかりとした意図を読み取ることができます。便利でそれっぽい言葉は、簡単に自分をそれっぽい人にできますが、表層ではなくしっかりと中身の伴った対話のできる人になりたいと私は強く感じました。

今後のリーダーズ講座に期待

これまでデザイナーとしての結果的成功論を聞く機会はあっても、実際のビジネスにおけるデザイナーの立ち位置や思考錯誤を聞く機会って内容が複雑なせいで触れられにくかったという印象があります。

しかしこのリーダーズ講座は、そうした複雑だけど現場で必要な部分にあえて焦点を当てていると思います。デジLIGさんがおっしゃる「本気で支援する」とは、webデザイナーとして今後「活躍していく」ためにはどうするべきかを見据えています。現場のプロが本気で問いかけてくれて、先人の知恵に出会えるこんな有意義な講義はなかなかないと思うのです。

講義によっては難しいこともたくさんあるかもしれませんが、社会で実際に活躍するプロがどんな思考で、どんな哲学を持って仕事をしているのかを覗けるこの新しい講座はデジLIGだからこそ開いてもらえる講座だと思うので、在校生であればぜひ一度参加してみてほしいです。

また、個人的な希望ですが、スペシャル講義らしく今後もゲスト講師は思う存分フリースタイルでやってもらいたいし、ボクらの時代(フジテレビの番組)のようにデザイナー同士で対談して深掘りしていく別枠があっても楽しそうですね。(デジLIGさんぜひ検討お願いします!)

今後の講師にも期待しつつ、よりデザイナーとしてのスキルを育くめるようどんどん学びとっていきたいです。
それではまた!

おすすめ

今回の講義のメインである「ブランディングとマーケティング」について、Kobarinさんが分かりやすくまとめられていたので、ぜひ読んでみてください!



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