モノクローム（2019.7.15）

空は
青かったろう
風は
風速1.5メートルくらいか
空気は乾燥していて
人びとはよそよそしく
埃っぽい路地を曲がるたび
現れる光景を
ただ見えるままに見ては
シャッターを切る
そのときそこに
確かに
眼として立っていた
それだけをよすがに
写真は
引き伸ばされ
次に見る者の前に
置かれる
そのときそこで
確かに
眼として立っていた者の
足取りがひらいた
それは世界