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【著作権】著作権は権利の束から構成されている(貸与権について)
今回は貸与権を扱います。
これは著作権を利用するのが流通過程の場合のものの一つです。
頒布権、譲渡権、貸与権の3つがあり、頒布権は映画の著作物の場合、譲渡権及び貸与権は 映画の著作物以外の著作物の場合の権利です。
今回は映画の著作物以外の著作物の場合の貸与権を取り上げます。
著作者は、その著作物をその複製物の貸与により公衆に提供する権利を専有する、とあります(26条の3)。
貸与とは、所有権はそのままで著作物の占有を相手方に移転させて使用させることをいいます。
いわゆるレンタルするCDなどは貸与権の対象となることから、複製したものを勝手に有料で貸し出すようなことはできないわけですね。
著作権法ではこれだけではなく、さらに概念が拡大されており、「貸与」には、いずれの名義又は方法をもってするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとされております(2条8項)。
要するに貸与の形式を取らずに、売買しておいて一定期間後に買い戻す契約をして貸与を同じ効果が与えられるようにして貸与権の規制を免れるような行為を想定して、そのような行為も貸与に該当するということが予定されています。
レンタルではない、売買したんだといっても、レンタルと同様の効果があるような契約である場合も貸与権により許されないことになります。
例外的に自由に貸与できる場合もあります。
それは、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により公衆に提供することができるとされております(38条4項)。
公立の図書館で本とかCDとかを貸し出すというのはこれにより許されているということですね。
今やレンタルショップに行かなくても聞きたい音楽を聴くことはできる時代になっていますが、著作物が有体物になっている場合はなお貸与権の問題が出てくることになります。
今回はここまでといたします。読んでいただきありがとうございました。
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