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【税務】国税の差押えを受ける場合

 前回は国は裁判しないで差押えができることを取り上げました。

 我々一般人、企業などの私人は裁判をして判決を取らなければならないにも拘らずです。

 さて、今回はどういった場合に国税の差押えを受けてしまうのかについて取り上げます。

 まず前提として滞納者である場合です。

 滞納者というのは納付の期限までに納付しない者です。

 さてここからです。

 徴収職員が必ず差押えする場合と必ずではないが差押えしうる場合とがあります。

1 必ず差押えする場合

①滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。

国税の差押えには督促状を発することが必要ということです。

そして、発してから10日間待たなければなりません。

②納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。

これは督促状を発しないですぐに徴収して良いと扱われる場合のことです。

①に比べて例外的な扱いですね。

2 差押えしうる場合

これは破産したとかそういう場合は直ちに差押えできると定められています。

これも例外的な事態です。

 以上、原則的な理解を押さえるという観点からは、

納付の期限が過ぎて、

督促状が発せられて10日間を過ぎた場合、

差押えがなされてしまうということです。

非常に強力な権限が認められているわけです。

裁判をしないで強制執行することを自力執行といいます。

じりきしっこう

と読みます。

かなり強硬な権限です。

こういった法律の仕組みがあることをまずは知っていただければと思います。

第五章 滞納処分
第一節 財産の差押
第一款 通則
(差押の要件)
第四十七条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
二 納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
2 国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
3 第二次納税義務者又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。

国税徴収法


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