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「売る」ための思考

新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まらない中、ビジネスにおいても大きな変化の波が一気に押し寄せてきています。10年先に起こる変化がここ1年で起きました。テレワークは確実に定着するでしょうし、都心にビジネス資源を集約する必要性もなくなりました。


GAFAMを初めととするグローバルIT企業が、既存の業界の地図を変えました。日本の十八番であった自動車産業も大きく変わりました。


所有欲を満たしたい若者は減り、カーシェアやモビリティーの方向に舵を取らざるを得なくなりました。Googleやテスラなど新興企業が、全く新しいコンセプトの自動車を出しています。自動車を単なる乗り物から生活インフラの一部として考えています。日立は社会インフラ、富士フイルムは化粧品や医療分野など、従来の製造業から脱却して、新しいサービスの柱を立てました。


大企業ですらそんな状態なのですから、中小企業、個人事業主はどうすれば生き残ることができるのでしょうか?持続的に成長するために、何をすればよいのでしょうか?


その答えは、どこにもありません。


他社の成功事例やベストセラー本から学んだり、有名セミナーに高いお金を払ったりしても意味がありません。それらの内容は、製鋼した人が出した成果の一部を抽出しただけのもの。要は、成果を出すための考え方を抜き出したものです。しかし、その考え方をどのように構築していったのか、「思考の道筋」とでも言うべきものは、当の本人にしか分かっていません。これからは、自分で新しい考え方を構築し、それを形にした人だけが成功と成長という果実を得ることができるのです。


それでは、新しい考え方をつくるにはどうしたらよいと思いますか?

まずは、今まで自分が信じてきた考えを否定しなければいけません。これは相当辛いことですし、多くの人はそれができないから、成長も成功もできません。


先日、ご相談を受けたオーナー経営者は、私が何か提案するたびに、

「今の人員では難しい。」
「他の会社はやっていないですよ。」
「あなたは、全然わかっていない。」

そんなような言葉を嫌というほど浴びさせられました。私は、「この会社の社員は可哀そうだな。」と心底思ったものです。同じようなことを社員にも言っていることが容易に想像できたからです。会社の経営者が、新しいことへのチャレンジ精神を失い、できない理由や言い訳ばかりまくしたてるようでは、会社の成長など見込めるはずはありません。


過去の成功体験や業界の常識なんて、とっとと捨ててしまいましょう。その自己否定が、新しい考え方をつくる第一歩です。


商品・サービスを売る時代はとっくに終わりました。その「先」を考えるための思考が必要になります。

例えば、今までにないペットサロンの事業アイデアを考えてみましょう。あなたならどんな風に(どんな思考の流れで)考えますか?

例えばこんな考え方はどうでしょうか?


1. 構造を見る
現在のペットサロンビジネスが成り立つ背景(構造)を考える

例:
少子高齢化、独身世帯、子離れ、
癒やしの存在や話し相手が欲しい、健康増進
忙しい現代人


2. お客の心の声を抽出する
ペットサロンビジネスが成り立つ背景を踏まえて、お客の声なき声を想像してみる。

例:
子供・パートナー・自分の代わりが欲しい、分身
人づきあいに疲れる、孤独と束縛、通じ合いたい
きれいにしてあげたい、人の目が気になる。


3. デコードする
抽出されたキーワードを「逆」「上」「先」の視点でデコードする。
その際、目に見えない価値、手間のかかることを考慮してみる。
また、「ペットサロン」という言葉から遠すぎず、近すぎない視点も持つ。

※デコードとは、コード、つまり常識や固定観念を脱することです。「自分が当たり前に正しいと思っていること」「自分の中の常識や思い込み」を突き破る、壊す、転回する、無効化することです。

例:
「逆」犬の気持ちなんて分からない。人間のペット化。
「上」生きるための鏡を磨くサロン。ペットとの共生とペットへの強制
「先」100年先のペットビジネス。ペットのライフイベント。


4. 仕組みと仕掛けを具体化する
3.でデコードされた世界観を実現する事業アイデアを考える。
その際、【お客×売るもの×売り方】の視点を取り入れる。

例:
お客は、飼い主、ペットに興味のある人、ペットサロンオーナー等
売るものは、ペットの健康と美容、ライフイベント、記念写真、旅行、投資等
売り方は、セルフサービス、ネット経由のみ等


大切なことは考えたアイデアそのものよりも、そのアイデアに至った「考え方の設計図」です。「考え方の設計図」をつくることができれば、それはいろんなビジネスにも応用できますし、他社には見えないので、圧倒的な強みになります。


今の世の中、モノを売るのは本当に大変な時代になりました。何か新製品を出してもすぐにマネをされ、資金力がある会社に根こそぎ持って行かれる、そんな構造になっています。だから、商品・サービスそのもので勝負するのではなく、


経営哲学、文化、ストーリー、経験、
社員の人格、ブランド、歴史、信頼、
質の高い情報、場、非常識なアイデア、


などが大切になります。最終的には、どんな言葉を紡ぎ、新しい市場をつくるための考え方を設計し、紹介していくかがカギです。あなたのビジネスをデコードして、いい会社、いい仕事を設計していきましょう。このコロナ禍が、その絶好のチャンスとも言えます。


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