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ドル安は底入れしたか?~月末要因、ドル金利反発でドル独歩高

月末リバランスの影響?ドル独歩高となった8月最終週

先週は8月最終週でしたね。月末はリバランスなどの徳珠玉が入りやすく
これまでのトレンドと逆方向に動きがちということを失念していました。
つまり、為替市場においてはドル安になりやすいと言えるわけで。
これまで独歩安だったドルだけが強い展開となりました。

通貨インデックス比較

これが月末週のリバランスの影響だったとするなら、週明けからは再びドル安基調に戻るということになりますが、しかし、先週はドル金利も猛烈に反発しており、ドルはこの金利上昇に連れ高となったとも言えます。

ドル金利猛烈リバウンドでドル高か

米国債利回り

ドル金利上昇は先週木曜、金曜に顕著となりましたが、注目されたコアPCE価格指数は予想を下回る伸びも、個人所得、消費支出がやや前月から強含んだことが、金利上昇につながったと見られます。しかし、ディスインフレ傾向であることが改めて確認できており9月利下げ開始を正当化するものでした。

■7月コアPCE価格指数:
 ~前月比+0.2%(予想+0.2%、6月+0.2%)
 ~前年比+2.6%(予想+2.7%、6月+2.6%)
~3カ月間年率で1.7%上昇-年初来で最も低い伸び

■7月個人消費支出(PCE):
~前月比+0.5%(予想:+0.5%、6月:+0.3%)
~前年比+2.5% (6月:+2.5%)            

■7月個人所得:前月より上昇
~前月比+0.3%(予想:+0.2%、6月:+0.2%)
 

その後22:45に発表されたシカゴPMIと23:00に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数の確報値が予想を上回る結果で、ドル金利は更に上昇。米国の消費マインドはあまり冷え込んでいないという数字です。         

・8月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)
結果46.1( 予想45.3:前回44.9)

・8月ミシガン大学消費者信頼感指数:確報値
 結果67.9(予想67.8:前回67.8)
1年先のインフレ期待は2.8%、2020年末以来の低水準

米国の余剰貯蓄は枯渇、クレジットローンの延滞率の上昇と米GDPの7割を占める個人消費が鈍る警戒が広がっている中で、実際出てくる指標は意外と底堅く、米国人の消費マインドはなかなか冷え込みません。これに気を良くした株式市場は、市場金利が反発上昇しているにも関わらず上昇、9月利下げはほぼ確定となる中、米国の個人消費がしっかりしているなら株を売る材料はない、ということね。

米主要株価インデックス

米株が強かった事に気を良くしたのか、日経平均先物も夜間取引で39000円大台を回復する強さをみせました。

日経平均先物 

金曜の東京クローズが38647.68円ですので、月曜の東京株式市場は窓開け上昇でスタートでしょうか。ドル円相場もドル金利上昇で146円台まで上昇しています。

ドル円日足

8/5の日本のブラックマンデー以降、ドル円はもみ合い相場。しかし、日本株は大きく戻り高値を更新しており、円高でも株高となっています。これは歓迎すべきことですが、楽観的に見れば、ここから円安再開となれば、さらなる株高が期待できるということでしょうか。

米国は再びゴルディロックス相場が戻ってきたようなムードです。米指標に極端に悪いものが出てこない限り、株高は続きそうですね。

9月第1週はISMと雇用統計に注目

ただ、今週はISM製造業、非製造業景況指数に雇用統計と重要経済指標がいくつもありますので、数字が悪ければ株は手仕舞い売りに押されるかもしれません。市場はディスインフレが確認されるインフレ指標ではなく、労働市場にフォーカスしていますので雇用統計の数字は特に重要。前回7月分の雇用統計で失業率が4.3%に上昇していたことが8/5の日本版ブラックマンデーの日米株安に一因でもありました。

■9/3(火)23:00 8月ISM 製造業景況指数 
予想 47.8 (7月46.8、6月実績を下回る結果だった)

■9/5(木)23:00  8月ISM非製造業景況指数
予想 50.9 (前回7月は51.4、10業種で活動拡大、8業種で縮小)

■9/6(金)21:30 8月雇用統計 
予想 非農業部門雇用者数 前月比+16.5万人(前回11.4万)
   失業率 4.2% (前回 4.3%)

失業率が0.1P低下する予想なんですね。
実際その通りの数字が出れば、リセッション警戒がさらに低下して株高はさらに進みそうです。

投機筋は3週連続ネット円ロングも個人は円キャリー再開

IMM通貨先物ポジション FROREX WATCHER

通貨先物市場で投機筋は円キャリーを再開していません。微増ではありますが、円ロングポジションを増やしています。3週連続で円ロングです。一方、日本の個人投資家が円キャリー取引を活発化させているとの記事。

FX業者4社(GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ)合計のドル円ポジション(日本の個人投資家ポジション)は1ドル=161円台まで下落していた7月10日時点で円買い・ドル売りの方が多い円の買い越しだったが、その後売り越しに転換。ドル円ポジション全体に占める円売りの比率も一時6割を超え、8月28日時点で5割台後半だ。

FXの影響力は侮れない。年間取引額(金融先物取引業協会調べ)は実に1京円を超える。すべてが銀行間市場に出てくるわけではないが、2022年4月時点で、国内市場の全スポット取引に占める「個人投資家関連取引」の割合は約2割に達していたとも指摘される(日銀のリポート)。

日本の個人は円安を見込んでいるということですね。確かに20円も円高となればドル買いのチャンスに見えます。先々、これが巻き返されれば円高のリスク、というわけですが、それは本格的に米景気後退が懸念され、FRBが一気に0.5%以上の利下げを行う時でしょうか。足元ではそうした警戒が後退しているため、リスク選好相場が戻ってきています。リスク選好相場ならドル円、クロス円は買い優位。円キャリー取引が再び旺盛となっても不思議はありませんが、しかし、海外投資家は慎重です。日米金利差縮小のフェーズに入ったことが理由でしょう。金融政策のピボットを甘く見ないほうがいいということでしょうか。

1.3095ドルポンドドルロングは23/7/14の高値1.3142ドルを割れてしまいましたので手仕舞いました。

ポンドドル日足

現在為替のポジションはありません。
今週は雇用統計まではドル円、クロス円の押し目買いが有効でしょうか。株式市場に楽観が戻ってきているためですが、株式市場が崩れればやはり円高リスクが高まると考えています。

NOTE

・MMF資産総額は約6兆3000億ドルで、今後数年間かけて増加を続ける可能性が高い。
・MMF資金を株や債券に投資する人はまれ-TDのゴールドバーグ氏
・キャッシュの巻き戻しが起きても違うところに向かう-USバンク

米MMFは待機資金とも呼ばれ、株式市場にチャンス到来となればMMFから株式市場に資金が流入すると説明されています。しかし、そうはならない、それは幻想であるという記事。MMFに資金が集まるのは金利が高いからですね。およそ900兆円もの規模ですから、動けば大きいですが、、、

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