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2023.Dec.15 Théâtre Ville Valence にて

Valence。
Lyonでのコンサートの翌日一日のんびり観光して…と思ってたんですが結局15000歩以上歩いて全然お休みにならない😂
翌朝も朝からメトロやケーブルカーを乗り継ぎノートルダム寺院を見て、Lyonから電車でValenceに移動。
なんとまたもや台湾人の女の子達に遭遇。
同じ電車だ‼︎
到着したValenceの駅がめちゃくちゃカワイイ✨

Valence Ville駅


高い建物もなくこじんまりして本当に可愛い街。
先ずはホテルにチェックインの後、明日の会場となる劇場の場所をチェックしに出かけました。
商店街を抜けると広場があり、すぐに目的の劇場が見つかりました。

その日は劇場でチケットをピックアップせず、劇場界隈の商店街を散策しました。

いよいよ明日はフランス最後の公演です。
Parisに始まり、LyonそしてValence。
非日常を楽しめるのも後少し。

さてフランスでの最後のコンサート当日。
風が強めだけどよく晴れてて気持ちの良い朝を迎えました。

小さな町の観光はほぼ1時間くらいで終わり、バスで10分程の大きなショッピングモールにも、お土産探しに行ってきました。
主婦としては見逃せないスポット😂でした。
夕方にならないと劇場が開かないので、ショッピングモールの帰りに劇場に寄って、チケットをもらってきました。この劇場のみ、Eチケットでは無くて、チケット購入のconformation メールと引き換えに劇場でチケットを受け取ると言うアナログなシステムでした。おかげできちんとしたチケット🎫をゲット。(記念になります🥰)


Valence公演のチケット

ホテルに一旦戻り、明日のチェックアウトに備えて荷物の整理です。
“あぁ…もう今夜のコンサートで終わっちゃうんだ。
もっとゆっくりしたかったな…”
少し寂しい気持ちで荷物をまとめます。

そしていよいよ最後のコンサートに出発。
徒歩で5分ほどのところにある劇場に到着。
まずは少し早めに2階席に行ってホール全体を眺めてみました。
小さいけれど、とても美しい劇場‼︎

劇場の2階のバルコニーより

Valenceの公演は1列目。
この劇場もLyonと同じくらい舞台が高いです。
フランス最終公演もピアノが一台。

そろそろ開演か…と思いきや、劇場関係者の方が舞台に登場してフランス語で何やらお話しされて、いよいよ角野さんの登場です。


1列目からのステージ

演目はParisと同じ。
ChopinのScherzoから始まりました。
この劇場とてもピアノの音がよく聴こえて、何より角野さんが鍵盤を弾く爪の音まで聴こえる‼︎
この公演で3回目ですが、Parisの時は初生角野さんでScherzoかどうか分からないくらいに舞い上がっていたし、2度目のLyonではまだゆっくり音楽を楽しむ余裕も無く、そして3回目でやっとピアノの音や残響まで聴く余裕ができました。
凄い〜‼︎残響がきちっと計算されていて音が濁らない。流石‼︎角野さんだ‼︎
グランドピアノの屋根に音がぶつかり、キラキラとした音の粒が1列目の私の席に降ってくる。
すごく良くピアノの音が綺麗に聴こえる劇場‼︎
ちょっと感動です‼︎
2曲目のChopinのNocturne…
左手の重厚な音で右手の旋律を支えつつ、切なく歌っていく。弱音とは言ってもなんて言うか芯のある音で、そう意思のある音なんですよね。徐々に盛り上がって行きますが、ただ強打しているわけではないし、鍵盤を叩いて出す音のタイミングも絶妙。
この曲はショパン国際ピアノコンクールでも何度も色々なcompetitorの方々が演奏されたのを聴きましたが、どの方のinterpretationも帯に短し襷に長し…(いえあくまでも個人的見解ですが)、私は今のこの音が最高だと感じました。
その後の、SuminoさんのNocturneは言うまでもありません。角野さんでなきゃ作れない曲。
どうやって、どう言う瞬間に作られたのだろう…などと考えながら和音に翻弄されます。


Valence公演のプログラム

BachのPartita。
整然とバロックの音楽が繰り広げられて行きます。
今までは、BachのPartitaを聴いて音の強弱や溜めたり歌ったりをつけられないから、表現の個人差があまりはっきり出ないのかなと思っていました。
それは間違いだと言うことが、今回の角野さんのコンサートでハッキリとわかりました!
“こんなノリノリのPartitaってある?”
Paris公演編にも書きましたが、まさにクラシックがジャズやロックに相通ずるものがあったんですね‼︎驚きです‼︎
拍手喝采で一度袖に入られた角野さんが再び舞台へ‼︎

休憩を挟み、久石さんの世界へ。
久石さんのレコーディングにも参加された角野さん。もうジブリと言えば角野さんみたいな気がしてしまいます。美しく切なく…アニメの映像が浮かんできそうです。

続いて、足でリズムをとってスタートしたのはKapustinのこの曲を聴くとどうしても2019年のParisのリサイタルで弾かれた時の事を思い出します。

その時の動画はこちら↓

https://youtu.be/-Bxjlzy6r40?si=0Xc7GAs_mVVRVrEY

でも今のこの堂々と自信に満ちた角野さんの演奏が最高‼︎本当にKapustinと共演して欲しかった‼︎彼の音楽を引き継ぐのはもう角野さんしかいないと本気で思っています。
Toccatinaまで一気に盛り上げます‼︎
もっとKapustinを聴いていたい…

そこで間髪をあけず、“胎動”
鳥肌ものです‼︎
音が生命を与えられて呼吸しどんどん大きく広がって行く様が見えるようです。
“追憶”Lyon公演と同じく一台のピアノで。
アップライトピアノの方がよりノスタルジックで、グランドピアノの方がストレートに感情が出る感じがします。もうあの頃はもう過去なんですね。


演奏中の角野さん

そして“Bolero”
左手のリズムのppから始まります。
頭の中にメトロノームが内蔵されているのかと思うほど正確にリズムを刻んでいきます。
単純であればある程、規則的にリズムを長く引き続ける難しいと思ってしまうのですが…
見事に1人でこなされている…
逆にアップライトピアノからグランドピアノに移行して行く方が音の強弱を含めても、盛り上がりを表現しやすいのかもしれません。
それを1台のグランドピアノで表現する角野さん。
どんどんffffffになって行き、観客は完全に角野さんの繰り出す世界に集中、没頭しているのがわかります。
私も爪が割れたりしないか心配になりながらも、雑念を振り払い演奏に集中します。
す、凄い熱量‼︎
素晴らしい‼︎
この熱量をこんなに近くで浴びることができて本当に良かった‼︎
“Bravo”の歓声と拍手が続く中、お辞儀をして下手袖に引っ込む角野さん。
拍手が鳴り止まず再び舞台に登場されて、アンコールへ。
ParisとLyonが“The Christmas Song”だったのでもう耳が“The Christmas Song”の準備万端だったんですけど….えっ⁈違う‼︎
Valenceではなんと“White Christmas”‼️
心の準備ができてなかった‼︎
でも素敵💓
とろけそうな“White Christmas”
一足早いクリスマスプレゼントをありがとうございます。
演奏中にBoleroのフレーズが見え隠れし、しっとりした中に笑いのエッセンスをぶち込んできます。
そしてトーク。最初はフランス語で挨拶。地元の方々から笑いも出て和やかムード。
その後英語にてご挨拶。
フランスでの最後のコンサート。またここに帰ってきたいですと言うとたくさんの拍手が巻き起こりました。
そして“One more Song⁈”と言って演奏し始めたのは“きらきら星”。観客から笑いが起こります。
盛り上がって弾き終えると大歓声と拍手の嵐‼︎
本当に素晴らしいコンサートだった〜‼︎


ロビーでサイン中の角野さん

終演後ロビーにはテーブルと椅子が用意されていて、最初の10名くらい⁈は劇場表に貼ってあったあれと同じポスターにサインをして行く角野さん。
勿論私も貰いました。
そして
「角野さん本当に素晴らしいコンサートをありがとうございました。」「またいつかどこかで…コンサートにうかがわせてください‼︎」と伝えたら

角野さんから「またいつかどこかで…」と言う言葉をもらい、その言葉を噛み締めながら会場を後にしました。

「またいつかどこかで….」

必ず聴きに行きます‼︎

角野さん‼︎本当に素晴らしいコンサートをありがとう‼︎

Paris編→Lyon編→Valence編と長々とお付き合いいただいた皆様、お読みいただきありがとうございました。

Paris編はこちらから↓

Lyon編はこちらから↓

https://note.com/hiroko_h_t/n/n3adc90c6fd31?sub_rt=share_b


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