布団に除菌って必要?赤ちゃんにも安全な寝具の除菌方法を教えます。
1日の3分の1の時間を過ごす布団、できるだけ清潔に保ちたいもの。「でも、除菌までする必要ある?」と思ったあなた、布団にはどれくらいの雑菌が住んでいるかご存じですか?
実は布団のシーツには、トイレの便座の何倍もの菌が繁殖しています。気持ちが悪いのはもちろん、カビ・ダニの繁殖や臭い、アレルギーを引き起こす原因にも。
特に免疫力がまだ強くない赤ちゃんや小さな子どもの布団や枕は気をつけてあげたいですね。
この記事では、除菌はしたいけど
というあなたにピッタリの布団除菌方法を、お掃除のプロがご紹介します。
今日から気軽に始められて、無理なく続けられる布団の除菌習慣を取り入れて、家族みんなが安心して熟睡できる布団を手に入れましょう!
布団を除菌したほうが絶対に良い理由
布団の除菌が必要なのはなぜでしょうか?理由を知ったら、除菌したくていてもたってもいられなくなります!
布団には雑菌がこんなにいる
まず、肉眼では見えないだけで、布団にはおびただしい数の細菌が住んでいます。しかも、すごいスピードで増殖しているんです。
WHOの協力機関であるNSF(米国衛生基金)の発表によれば、新品のシーツでも1晩寝ると翌朝にはトイレの便座の3倍の量の菌がいるとのこと。さらに1週間後のものでは便座の9倍に増殖します。
もし1週間以上の期間、除菌せずに放っておいたら……布団は菌でいっぱいになり、まるで菌にくるまれて寝ているような状況に。赤ちゃんや幼児は布団やタオルケットを口に入れることも多いので心配です。
免疫力の弱い赤ちゃんや子どもは、大量の菌にさらされることで風邪をひきやすくなったり、お腹を壊しやすくなったりすることも考えられます。
また、アトピーや喘息、皮膚炎などを引き起こすきっかけにもなりかねません。
布団の除菌は感染症対策にも有効
風邪やインフルエンザ、ノロウイルスやコロナなど感染症が気になる時期は、布団を含め家の中の除菌に注意が必要。特に赤ちゃんや幼児は布団の上で過ごす時間が多いので、しっかり対策しましょう。
家族が感染症にかかったときは家庭内感染を防ぐために、赤ちゃんの過ごす場所を除菌しましょう。病気が治ったら、療養した布団を除菌することも忘れずに。
赤ちゃんのきょうだいの幼稚園や学校で感染症が流行っている場合や、一緒に遊んだお友達が感染症にかかっていたことが分かった場合にも除菌するとよいです。
神経質になりすぎる必要はありませんが、RSウイルスなど赤ちゃんがかかると重篤化する病原体もあるため、人の出入りが多い時は除菌しておくと安心です。
布団の除菌はカビ・ダニ・臭い対策にもなる
布団に雑菌が繁殖する条件と、カビやダニが大発生する条件には、共通点が非常に多いです。例えば湿度や温度、栄養源となる人間のアカやフケなどです。
除菌をこまめにして菌の繁殖しにくい環境を作ることで、カビやダニの対策にもなります。
ダニが増えるとダニ刺されや、死骸やフンによるアレルギーを引き起こします。また、カビが増えるとアレルギーのほか、肺や肝臓・腎臓の病気にもつながるため、ぜひ同時に退治したいですね。
さらに、雑菌が繁殖すると布団の臭いの原因にも。体臭が移ったようなすえた布団の悪臭は、汗や皮脂を菌が分解することで発生します。生乾きの洗濯物や排水口の悪臭も、雑菌が作っている臭いなんです。
もし最近布団の臭いが気になっているなら、除菌を始めるタイミングですよ。
布団の消臭は原因に応じて!いろんな「クサイ」の原因と対策を知りたいならこちら:▶布団のニオイを根こそぎ消臭する方法3選【お掃除のプロが解説】
こまめに除菌すれば手間はかからない
強い化学成分を使わず、時間と手間をかけずに除菌するには、繁殖する前に手を打ち続けることがカギ。
これから提案する方法なら、1日5分+週10分の投資で、毎日安心で爽やかな布団をキープ。仕事や育児に忙しくても無理なく継続できます。
毎日すること、3日~1週間に一度すること、半年~1年に一度することの3ステップに分けて実践していきましょう。できる方は、ぜひ今日から始めてみてください!
3ステップ!簡単・安心でおすすめの布団除菌方法
赤ちゃんがいてもできる、簡単で安心な布団除菌方法は3ステップ。
です。面倒くさがりの私でももうかれこれ何年も続いている方法ですので、手軽さは折り紙付き。ひとつずつご説明します。
【ステップ1】毎日行う:除菌スプレー
布団の雑菌は1晩で増えるので、毎日除菌スプレーをしましょう。表面の雑菌の数を減らし、増殖を防ぎます。
基本的な使い方は以下の通りです。
寝る前にスプレーすると乾くのを待って寝ることになるため、寝起きにスプレーしてしまうのが得策です。
除菌スプレーにも多くの種類があります。寝具にも使える布製品適用のものを選びましょう。長時間肌に触れるものなので、なるべく余分な化学成分が入っていないものが安心です。
また、目的や体質に応じた除菌成分を配合しているものを選びましょう。
赤ちゃんがいても安心な除菌成分としておすすめのものには
などがあります。
特におすすめのものは次の3種類。目的や体質に合わせて選んでみてください。
1 雑菌やウイルス、ダニやカビにも有効なティーツリー成分スプレー
ティーツリーは、高い殺菌・消炎力で知られるオーストラリア原産の植物。雑菌はもちろん、カビやダニに対する効果も科学的に証明されている「万能ハーブ」です。
カビやダニへの効果を示す実験結果を見たい方はこちら:
▶ティーツリーはダニに効く?実験結果と殺虫剤いらずの効果的な使い方
▶ティーツリーはカビに有効?実験でわかる驚きの効果と使い方のコツ
菌・カビ・ダニ・臭いを一つで対策できるパワフルさですが、天然成分なので毎日使っても安心。赤ちゃんやお年寄りのいるご家庭を含め、まずは一番おすすめできるオールマイティー成分です。
ティーツリーのエッセンシャルオイルには松葉をすりつぶしたような独特の香りがあり、この芳香成分に殺菌効果があります。香りはすぐに消えますが、気分がスッとして私は好きな香りです。
品質の劣るティーツリー成分では、ツンと刺激のある香りがする場合があるため、品質の確かなティーツリーオイルを使用した製品を選びましょう。
また「ティーツリーの香り」というだけのアイテムもあるので、ティーツリーオイルが配合されているか成分表示を確認してください。
【おすすめのティーツリー除菌スプレー】
ボタニカルエフェクト 天然ティーツリーの除菌消臭ミスト|THE BOTANICAL EFFECTS
高品質の天然成分がパワフル!家じゅうで使える
寝具だけでなく、キッチンもバスルームもティーツリーで除菌している私が、実際に使ってみて一番良かったのがこちら。ティーツリーが初めての方にもおすすめです。
ティーツリー成分配合スプレーのほとんどが、どんなティーツリーオイルを使っているかまでは表記していないのですが、そんな中で
という高い条件を満たした医療用レベルのティーツリーオイルを使用していることを明記。さらに、
など余計なものを一切配合していないのも安心要素です。
朝一番にスプレーすると、森林の香りとともに細かい霧がたっぷりと出て気持ちがいいですよ!成分はすべて30分ほどで揮発し、香りも菌も残りません。除菌習慣を楽しく自然に長続きさせたいならイチオシです。
▶ ボタニカルエフェクト 天然ティーツリーの除菌消臭ミストをAmazonで購入する
2 ノロウイルス対策には次亜塩素酸水スプレー
次亜塩素酸水を使ったスプレーは、ノロウイルスの流行時期や、子どもの嘔吐後におすすめ。アルコールなど一般の除菌成分が効かないノロウイルスにも効果を発揮します。
次亜塩素酸と聞くと、ハイター系の漂白剤を思い浮かべがちですが、それとは別物。漂白剤は「次亜塩素酸ナトリウム」でアルカリ性なのに対し「次亜塩素酸水」はお肌と同じ弱酸性で刺激がありません。
医療分野では機器の消毒、食品分野では野菜の洗浄などに使われ、ヒトの体内でも白血球がウイルスを退治するのにこの成分を使います。除菌後は水に変わるため残りません。
時間の経過や紫外線で濃度が低下しやすいため、使用期限が短く冷暗所での保管が推奨されます。友達や家族からの感染を防ぎたいときに、手元にあると心強い除菌剤です。
【おすすめの次亜塩素酸水除菌スプレー】
弱酸性次亜塩素酸水【CELA】|ウィープロジェクト
感染症対策に!肌にやさしい弱酸性
CELA(セラ)は除菌効果が高く安全なpH6.5の弱酸性。肌に刺激がなく、直接触っても手が荒れません。
絵本のような可愛いボトルで、神経を使う感染対策も気持ちがほっこり。家族に感染者が出た際、購入時についてきた感染予防マニュアルが役立ったという声も。
使用後すぐはかすかにプールのような塩素系の臭いがありますが、すぐ消えます。ついでに換気する習慣をつけるのもおすすめです。
3 お肌が弱い・匂いに敏感ならバイオ系
アルコールに触れると肌が赤くなってしまうアレルギーの子や、アルコールや塩素の臭いに敏感な方には、バイオ系がおすすめ。ノンアルコールかつ無臭で、微生物の力を応用して除菌するため身体にも優しいです。
【おすすめのバイオ系除菌スプレー】
ナチュラルスーパーバイオ ライフ|鶴翔 KAKUSYO
臭いなし!化学成分を一切使わず菌を不活性化
「ナチュラルスーパーバイオ ライフ」は自衛隊や学校などでも使用実績のある除菌スプレー。土から生まれた微生物の力を借りて、有害な菌やウイルスを不活性化させます。
化学成分は一切配合せず、臭いも全くなし。ペットのケアに使っている人も多数見受けられます。毎年かかっていたインフルエンザにかからなくなったという声も。
ただし揮発性ではないので、使用後濡れた状態になります。風を通す、扇風機やエアコンの風を当てるなど工夫してしっかり乾燥させましょう。
【ステップ2】3日~1週間に1回行う:除菌家電でお手入れ
効果的な除菌のために、3日~1週間に1回ほど布団クリーナーや布団乾燥機も活用しましょう。扱いが簡単なものを選べば、時間をとられずにお手入れできます。
1 殺菌機能付き布団クリーナー
布団クリーナーは、布団の掃除に特化した小型の掃除機のようなものです。軽くて扱いやすく、布団を吸い込まずに表面のフケやアカを取り除けます。
除菌をメインの目的とするなら、
の機能が付いているものを選びましょう。吸い込んだ菌やダニを部屋中に広げてしまわないよう、フィルターの機能が高いものが安心です。
【おすすめの殺菌機能付き布団クリーナー】
レイコップPRO RS3-100JPWH|RAYCOP(レイコップ)
紫外線ランプと60℃温風で除菌。扱いやすさ抜群
布団クリーナーの先駆者であるレイコップの中でも、菌やウイルス、ダニに対する効果が特に期待できるのが「レイコップ・プロ」。
菌・ウイルスを99.9%除去するというUVランプ(紫外線)を搭載。さらに60℃の温風を出すので、布団の湿気を取り除けるうえダニ退治にもなります。
毎分28,800回たたきながらの吸引で、菌の死骸はもちろんフケ・アカ・ダニの死骸やフンなどすべてキレイに除去。
0.3μmの超微細粉塵を99.9%以上漉しとるマイクロHEPAフィルター搭載なので、部屋の空気も汚れません。
実際に使ってみると、扱いやすさは格別。アイロンでもなんでも加熱する家電は待ち時間がストレスですが、レイコッププロは電源を入れてから30秒で熱風発射準備完了。除菌したいときにすぐ始められます。
布団を吸い込んで「ズビビビ!」とならないよう、吸引力をキープしながらも空気を逃す絶妙の設計になっており感嘆。この快適さ、そして使用後の気持ち良さ、これなら毎週頑張れます!
▶ レイコップPRO RS3-100JPWHをAmazonで購入する
2 家庭用布団乾燥機
家庭用布団乾燥機を使えば、加熱と乾燥で菌を退治できます。天気や時間を気にせずいつでも実行できるので、週に1度都合の良いタイミングでやってみましょう。
従来の布団乾燥機は、温風で膨らむマット(袋)とホースが付いており、パワフルですが準備と片付けに手間がかかりました。
最近ではマットなしでホースを直接布団に差し込むもの、さらにはホースすらないものも開発されています。手間が大幅に省けておすすめです。
【おすすめの家庭用布団乾燥機】
布団乾燥機 スマートドライ RF-EA20-WA|象印
マットなし・ホースなしで手間なし!室内干しにも使える
象印のスマートドライは、面倒なし・出番が多い・耐久性が高いの3拍子が揃った布団乾燥機の逸品。
マットなし・ホースなしで、吹き出し口をカチッと開けて布団をかけ、スイッチを入れるだけ。なんの準備も片付けもいりません。布団乾燥機はホースから傷んでくるので、ホースがないぶん長期間愛用できます。
週1~2回の布団の除菌以外にも、室内干しやクローゼットの乾燥などに幅広く使えます。雨の日のおむつや着替え、上のお子さんの上履き乾燥など「あってよかった!」という場面は数知れず。
2.6mとコードが長いので、布団を移動したり延長コードを探したりする手間もなし。使用後はコードバスケットにまとめて入れられるので便利で安全。
音が静かで、立てても寝かせても使える自由度の高さも使い勝手のポイント。赤ちゃんやテレワークの家族がいても、マンションの夜間でも、時間や場所を気にせず使えるのもうれしいポイントです。
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【ステップ3】半年~1年に1回行う:乾燥機・丸洗い
ここまでご紹介したお手入れは、布団の表面の菌を除菌することはできますが、中まで除菌することはできません。半年~1年に1回は、ダニ対策を兼ねて内部までしっかり除菌するのが理想です。
方法としては、
といった方法があります。
洗濯表示を確認し、洗える素材なら家の洗濯機や浴槽で丸洗いすることも可能です。(丸洗いのしかたは▶こちら)
また、タンブラー乾燥ができる素材なら、コインランドリーの大きな乾燥機にかけてしっかり熱を加えるのもおすすめ。
このステップはほかに比べてお手軽とは言えませんが、例えば洗濯機もタンブラーもOKの布団なら、コインランドリーで洗濯+乾燥が2時間ほどで完了します。
家族で協力する、何日かに分けるなどすれば、想像ほど大変ではないかもしれません。
布団をクリーニングに出すなら、ドライクリーニングではなく水洗いを選択しましょう。雑菌やダニの死骸、フケや皮脂などは水溶性の汚れだからです。
赤ちゃん用の敷布団は、顔が沈んでしまわないよう硬めに作られていますので、自分で洗えません。初めからクリーニング一択です。その上に敷く敷きパッドは家で洗えることが多いので、確認してみましょう。
環境を整えて除菌効果をアップさせよう
日々の除菌効果をアップさせるには、菌が繁殖しにくい環境を作ることも大切。菌の栄養源と湿気をなるべく減らすのがポイントです。今日から始められる環境づくりを4つご紹介します。
シーツやカバーを交換する
シーツや布団カバー、枕カバーなどには、菌の栄養源となる皮脂やアカがたくさんついています。除菌して菌を減らしても、皮脂やアカが溜まるにつれて増殖スピードはアップ。
季節や個人の汗の量にもよりますが、2日~1週間に1度はカバー類を洗濯しましょう。
シーツや枕の臭いが気になる時や、感染症が気になる時は、酸素系の漂白剤を使って除菌効果を高めるのもおすすめです。
布団を敷きっぱなしにしない
布団を敷きっぱなしにすると、湿気がこもって菌やカビの温床になります。
朝起きたら、布団を椅子などに掛けて湿気を飛ばしましょう。窓を開ける、扇風機やエアコンの風を当てるなどするとさらに良いです。
布団の収納場所に湿気をためない
起床後すぐ押し入れやクローゼットに布団をしまうと、1晩たっぷりかいた汗が収納スペースにこもります。まずはしばらく湿気を飛ばしてから収納しましょう。
押し入れやクローゼットは、スノコを使って通気性を高めましょう。下に敷くだけでなく、側面や奥にも使うのがコツです。
天気の良い日は扉を開けておく、扇風機やサーキュレータで換気する、収納スペース用の除湿剤を入れるなどの工夫も有効です。
部屋の湿度を下げる
じめじめした季節、雨や曇りの日は、除湿器やエアコンの除湿モードを利用して部屋の湿度を下げると、菌の繁殖を防げます。
寝るときに乾燥していると喉がつらいので、日中に除湿器等を3~6時間つけっぱなしにしておくのがおすすめ。
クリーンな布団で安心しておやすみなさい!
目に見えないとはいえ、知らず知らずのうちに雑菌だらけの布団で寝ていては、健康に良くないのは当たりまえ。心身を本当に元気にしてくれる睡眠がとれるよう、3ステップでキレイな布団をキープしましょう!
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