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『月蝕の夜の子守歌 大正浪漫 横濱魔女学校2』感想

『月蝕の夜の子守歌 大正浪漫 横濱魔女学校2』白鷺あおい 創元推理文庫 7/19読了

表紙タイトルの字体が好きだなぁ。こういうところに凝っている本は大好き。

前巻からあまり時間のたっていな時期からスタート。
若槻家の千秋くんは、聴講生という形でクラスメートになりました。
女子校を嫌がるタイプかもと思ってはいたけれど、いつオンブレ・ティグレに変身するかわからないし、ここの人たちならオンブレ・ティグレであることは既に知られているし、変身してもこの学校ならフォローしてもらえるし、車椅子でも迎え入れてくれるし、家から近いし、という好条件に加え、他の学校では学べないことが学べるというのが大きいのかな。地頭がいいうえに負けず嫌いみたいだし。

今回登場したアナちゃんが可愛かったです。アナちゃんの面倒を見ていたリョウタくんも。一生懸命な子は好きだ。

今回のお話は、横濱天狗団と呼ばれる誘拐団が登場。裕福な家の子を誘拐し、でも裕福な家の人ならすぐに用意できるくらいの金額しか吹っ掛けないから、なかなか警察にも通報されず、結果、野放しになっているというならず者たち。
小春さんの甥っ子の新聞記者の周太郎からもたらされた話ですが、このシリーズは、まず小春さんが周太郎から近頃起きた事件の話を聞き、そこから話が展開していくという体際になるのかな。1巻もそうだったし。

この巻は、その誘拐団の話と、小春さんたちが出会ったアナちゃんという小さな女の子の話と、ペルーからやってきた千秋くんの叔父さんの話が絡み合って進行していきます。そして前巻から引き続き、グリーン・マンション(緑の館)という小説がキーになっているみたい。

私はこのグリーン・マンションは読んだことないんですよね、1巻にあらすじがあったから、読んでなくても話は分かるんだけど、読んだ方がいいのかなぁ。

アナちゃんやおじさん以外にも新たなキャラはたくさん出てきたんですが、中でも烏天狗のお遊さんにはまた出てきてほしいな。ああいう気風のいい人は好きです。人じゃないけど。

この本はずっと三部作と言われていて、作者の方もあとがきなどにそう書いているのですが、そこで終わるのもったいないと思う。
宮さん(女郎蜘蛛)や透子さん(幽谷響)のことももっと知りたいし、読みたい。
次巻では千秋くんがどうしてオンブレ・ティグレになったかという話が出てくるんだろうけど、そのなぞがとけたあともまだ小春さんや宮さんや透子さんたちの話を読みたいです。横濱魔女学校がどうディアーヌ学院になっていくのかも。

そして今回はヴェネズエラの妖魅のカベサ・ボラドーラが出てきたのが楽しかったです。他の国にもいろんな妖魅がいるんだろうな。そういうのももっと知りたいです。

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