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『博士と狂人』感想

『博士と狂人』10/24鑑賞

新しいミニシアターに観に行きました。キノシネマで、座席がゆったりめで静かな場所でいい感じ。
いいなぁ福岡はこんな劇場があって。うちの市は映画館の数は多いけどミニシアターが弱いので、ぜひミニシアターに進出していただきたいです。採算合わないんだろうな……。

九州ではそのミニシアターでしか上映がなかった『博士と狂人』。もしかしたらセカンドランやその次くらいでうちの市のシネコンに来るかもですが、ここを逃しては観られないかも、ということで行ってきました。

オックスフォード英語辞典が編纂された当時の実話が元になった作品で、主演がメル・ギブソン。独学で学んだ語学の天才……といっていいのかな。
タメを張るのがショーン・ペン。殺人を犯した囚人で心を病み、隔離されているが、医師の資格を持った元軍人で深い知識を有している。
辞典を編纂するために「博士」が広く国民に向けて出した広告を「狂人」が見て、隔離されている独房から協力を願い出る話。

ものすごく簡単にあらすじを述べるとこんな話ですが、「狂人」が犯した罪と向き合い愛を知りさらなる絶望の淵に立ち、「博士」は大学の厚い壁にぶち当たり理不尽な扱いを受け、といろんな痛みも感じる話でした。身体的にも、精神的にも。

作中にも出てきたけれど、言葉は無数にあり、脈々と受け継がれ、いまこのときにも新しい言葉が生まれ、もともとの言葉の意味が変容している。
それを作中まざまざと見せつけてくるわけですが、そんな無数の意味を持つ言葉でこの映画を表わすことなんて私にはとても無理。
辞書や辞典が好きな方、「言葉」についていろいろと思いめぐらすことのある方にぜひ見てほしい映画、としか言いようがないなぁ。

メル・ギブソンもショーン・ペンも、言葉は悪いけどかっこいいじじいでしたね。
若い頃美形といわれた方は、年を取って少し枯れてくるとみんなもっともっとかっこよくなるんですね。そういう部分も見せつけられたな。


役柄としては、フレディとマンシーが好きだったな。特にフレディは敵に回したくないタイプと思いました。

機会があればもう一度見てみたいですね。

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