『劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』感想

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』10/18鑑賞。
思いっきりネタバレ入ってます。


上司や同僚のプッシュとネットの友達の感想に押され、テレビ版を視聴後鑑賞しました。特別編は観てないんだけど。

私は結構アンドロイドものが好きで、何が好きかというとはじめは感情がなかったり周囲の人の感情が理解できなかったりした彼or彼女が次第に変わっていくのが好きなんですが、そのあたりのツボを思いっきり殴られるみたいに突かれましたね。こういうのめっちゃ好き。
テレビ版は少佐が謎で、でも絶対これ後で出てくるだろって感じの匂わせ方でしたが、テレビ版の最終回を見て「いや、こんなん絶対続き見らんと駄目やろ」とそのあとすぐの回のチケットを取って行ってきました。

私は声優さんにはあまり詳しくないんですが、その中で唯一聴いてわかるのが少佐役の浪川大輔さん。これ以上沼を増やしたくないのであえて追いかけてはいないのですが。
私はツバサクロニクルが好きで(リアルタイムのアニメでは見てないけど単行本の初回限定盤のDVDをみました)、浪川さんが主要キャラをやってて、それでわかるようになったんですよね。
どこがどう、とは言えないんですがなんか好きで、聞いたら浪川さんの声ってわかって、いつだったか古い刑事コロンボの吹替版を観てた時にこの声気になるなーって思ったら子役時代の浪川さんだったってこともありました。
それがまさか劇場版であんな声聞けるなんて思わんやんか!!

最後は、ヴァイオレットちゃん良かったねー(いいから少佐は早よヴァイオレットちゃんのところに行け)と思いつつ、少佐が大声をあげるところは頭の中ぐっちゃぐっちゃになってました。
ほぼ満員だったこともあり必死に声に出さないようにしてましたけど、あれ家で一人で見てたらぐるんぐるん床の上のたうち回ってたと思う。
ホント、浪川さんの声が好きで好きで好きで好きで子役の頃の声さえ反応しちゃう私になんてものを見せてくれたんだ!!!ありがとうありがとう!!!

ツバサ好きとしては、めんどくさい兄上がいる貴族というのもツボったし片目失って黒い眼帯もツボったしそのうえ片腕ないとか聞いてない!って心の中でめっちゃ突っ込みまくってましたよ、なにそのてんこ盛り。
欠損好きという意味ではなくて(その手の中2病的要素はまだちょっと持ってるけど)、これは本当にヴァイオレット・エヴァ―ガーデンには失礼なんだけど、ツバサの浪川さんが演じたキャラに絡む要素がてんこ盛り過ぎて、まるで奈落に落ちるかのようにツバサに落ちたあの頃を思い出してました。ほんとすみません。ツバサでも泣きの演技あったしな。

そんな感情がぐるんぐるん揺さぶられるような浪川さんの演技にノックアウトされたヴァイオレット・エヴァ―ガーデンでしたが、あまりストーリーに触れないのは、そこは違う意味で感情が揺さぶられたからですね。

テレビシリーズの話でもボロボロ泣きました。
テレビシリーズの話は、私の上司はお母さんから娘へ50年間手紙を送る話を神回といってたし、同僚はその次の、戦場で倒れた若者から故郷で待つ彼女へあてた手紙の話が一番好きだって言ってた。
私は戯曲家と彼の娘の話かな。あれを見て、私は子供のころからお父さん子で、まぁつまりはファザコンだったよなぁなんてことや、父が亡くなる前に病院で話したいろいろなことを思いだしたりしました。
上司の神回や同僚の好きな話も泣きながら見た。

そんなふうにテレビシリーズでも泣いた場面はいろいろあったし、そもそも最初の「愛を知りたい」も友人の兄への手紙もすごく迫ってくるものはあったんですが、映画で流れたエピソードは別の意味で迫ってきた。
病気の男の子のエピソードですね。
私は去年病気をして、というか腫瘍が発見されて、幸い癌ではなかったけれどもし癌なら今頃ここにはいないよなぁと思ってる。再発や転移の可能性はとても低いけどゼロじゃないと言われていて、先週も経過観察の検査をしたところ。
そういうこともあって、徐々に弱っていくあの男の子が家族や友人のことを考えて、彼らに言葉を残したいという気持ちがすごくわかって。
だからいろいろと考えてしまうんですが、そこに浪川さんの泣きの演技である意味追い打ちをかけられました。

自分の内側にあるものと外部要因とが混ざってぐちゃぐちゃになった感じ。

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンはまだロングランが続いていて、浪川さんの声がもう一度聴きたくて、でもなかなか足を運ぶ勇気が出ないのは、そのぐちゃぐちゃをもう一度味わうのが怖いんです。
でも、やっぱりあの声は聴きたいしなぁ。

そんなふうにもやもやと、ぐるぐると、ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンという文字を見るたびに思い返しています。

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