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日記、のようなもの #42 積読事情

2022/10/23

子供の頃から本を読むのが好きでした。
というのも、両親が共働きのうえ弟と年が離れているので、子供の頃は一人で過ごす時間が長かったから。
友達とだっていつもいつも遊べるわけじゃないし、テレビだっていつも好きな番組をやっているわけじゃない。いまみたいにYouTubeがあるわけでもないし、毎日習い事をしているわけじゃない。
一人でできることは限られていて、そこで私の気持ちの向かった先が読書だったんです。

うちの親はおもちゃはそんなに買ってくれなかったけど、本ならば買ってくれたということもあります。漫画はほとんど買ってくれなかったけど、友だちや従姉妹から借りる分には怒られなかったな。
図書館に行くためなら予定外の交通費だって出してくれたから、夏休みなどの長期休暇にはよく一人で図書館に行っていました。
父親の行きつけの本屋さんもあって、よくそこにも連れて行ってもらいました。
父親だけでなく私のこともちゃんと顔も名前も憶えてくれていた商店街の小さの本屋さんで、本屋さんで本を注文するのも予約するのも、その本屋さんで覚えたこと。いまはもうその本屋さんはなくなっちゃったけど。

いま考えると、うちの親はそんなに本を読んでいたわけではないんですよね。でも昔ながらの家庭だったので、そう広いわけでもない家には、〇〇全集とか図鑑とか、そういうのが並んでいました。
明治の文豪の本が多かったなあ。
子供の頃には明治の文豪の本なんてとても読めなくてせいぜいが読書感想文のために芥川龍之介の短編集を読んだくらいですが、そういうものが家にごろごろ転がっていたというのは、今の私を形作るもののなかでかなり大きな部分を占めていると思います。
本棚の下の方は私の本を入れるスペースで、同じ本を何度も何度も読み返したものでした。

そんなふうに本を読むのが当たり前で、それは小学校、中学校、高校、大学と進学しても変わらず、いまでも受けつがれています。
ただ昔と違うのは、今はずいぶん積読が多くなってしまったということ。
大学生の頃からその片鱗はありましたが、私は貧乏学生だったので読まない本にお金を使うのはもったいなくて、なるべく読み終わってから次を買う、という感じだったんですよね。

一時期はちょっと行き過ぎていて、毎日、下手したら一日に二度本屋さんに行っていたこともあったけども(まぁ今よりは本も安かった)。
それが就職してからというもの、積読というものが出てきました。
たぶん最初は仕事がすごく忙しかったとき。残業がすごくてなかなか時間が取れなかったんですよね。
それとあわせてネットでいろいろ見ることが増えたのがとどめでした。

本を読むよりも、ネットでいろんなものを見たり、友だちとやりとりしたり、そういうことが楽しくなって行って本が遠ざかっていったんです。
けれどそういうことには関係なく、それまで読んでいた本の続きは出るし、続き物ではないにしても好きな作家さんの本は出るし、その頃には好きな出版社や好きなジャンルというものも大まかに決まってきていて、その新刊情報はやってくるし、欲しい本はたくさんある。
ネットでいろいろと調べていると、さらに新しいものがほしくなる。
そんな積み重ねで本だけがどんどん増えていきました。
休みの日に本屋さんに行くくらいしか楽しみのない時期もあったから、なんとなく気になった本を手に取ってそのままレジに、ということもしばしばでした。

改めて思い返すと買い物依存症に近い感じだったのかも、と思わなくもありません。
そうして本を買ったはいいけれど、それを読む時間はないんですよね。
通勤時間に読むことももちろんありますが、あまりにも仕事が立て込んでくると帰りが遅くなるから車通勤になり、本を読む隙間はありません。
ちょっとでもできた隙間時間は、ネットの方を優先させていました。
そうして毎日読む時間はどんどん減っていき、だけど本を買うスピードは変わらず、どんどん積読が増えていきました。

今でも積読本は何冊も何冊もあります。
諦めて手放した本もあれば、少しずつ読み進めているのもある。
こうなってしまうと、買ったのを忘れて同じ本を二冊買ってしまうこともある。

図書館で借りることもありますが、うちの市の図書館は新刊が入ってくるのが遅いので(下手したら一か月以上かかる)、気になる本は買ってしまうんですよね。そうして他の本が割を食って遅くなる。

正直、怖くて積読本が何冊あるかは数えていませんが、今の職場にいるうちになるべくたくさん読み進めておかなくちゃ。

そういうわけで、読書ノートをつけることにしました。
読み終わった本の感想はこれまでにもあちこちで書いていたし、時間のない時には読んだ本のタイトルだけでも記録していました。忙しくて飛んでいる時期もあるけれど、まぁだいたいにおいて。
でも、読みかけの状態での記録はこれまでつけたことはなかったんですよね。
なので感想だとかそういうものではなく、今日はどの本を何ページ読んだか。Audibleで何分聴いたか。なんという本を買ってきたか。借りてきたか。
そういったものを記録してみようと思います。

本を読むスピードがずいぶんと遅くなっていることも可視化されるんだろうと思うと怖くもあります。年齢とともにそういうスピードはどんどん遅くなるんだろうし、若い頃のように一日に文庫本を二冊読むなんてことはもうできないって思い知らされるだろうし。
あの頃はおかしなペースで読んでいたから較べるようなものじゃないとはいえ、人は一番いいときのことはくっきりと憶えているんですよね。

今日読んでいるものは
 ハードカバーがアンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
 文庫本がジャナ・デリオン『どこまでも食いついて』。
 Audibleが逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』。

三種類あるのは、持ち歩き出来るかどうか(車で移動と公共交通機関のみの移動で持ち歩ける重さが違うので)、移動中に読めるかどうか、ということを考えて使い分けているから。
そういうわけで、ハードカバー、文庫、Audibleを並行して読むことが多く、余計に記録する意味があるんじゃないかと考えました。
しばらくそうやって記録をつけて、それが積読解消につながったらいいなと思っています。

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