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『ミッシング・リンク~英国紳士と秘密の相棒』感想


『ミッシング・リンク~英国紳士と秘密の相棒』11/14鑑賞

スタジオライカの作品。
どのスタジオがつくっている映画か、なんてことはこれまであんまり考えたことはなかったけど、それなりの本数をみるようになると何となく傾向は見えてくるものだなぁ、とうっすらとぼんやりと思うようになってきました。
だからライカの名前は聞いたことがあったんですが、でも何をやってるスタジオかはよく知らなかったんですよね。でも、この作品は面白いらしい、という評判が聴こえてきたのと、KUBOをつくったところと聞いたので観ることにしました。KUBOはすごかったもんなぁ。

主人公は英国貴族のライオネル・フロスト卿。冒険が大好き。遺産を受け継ぎ特に働く必要のない身分で、あちこちに出向き同様に冒険好きの貴族たちの加盟するクラブに入会したいと思っている。彼の行いが悪いのか、作中でははっきりと語られることはないけれど、クラブの長である貴族主義の肥大したダンスビー卿の言動から、おそらくはライオネル卿の進歩的なところが忌避されていたのかな、と思われます。
ダンスビー卿は進化論を認めず、神がヒトを作ったと信じている。そしてライオネル卿は進化論を信じ、猿がヒトへと進化していく過程のミッシング・リンクを見つけたいと願っているから。
作中でそう言及するところがあるので、映画のストーリー以前にその話をはっきり人前で出していたのかはわかりませんが。
しかし、ライオネル卿自身も独善的で、かつ、古き良き家父長制の考え方をしていることが、ヒロインであるアデリーナとのやり取りで次第に明かされるわけですが。

ストーリーはライオネルのところに届いた手紙から一気に動き出します。
その手紙は、「ビッグフットの居場所を教えましょう」というもの。その目撃者に会うべくはるばるアメリカまで航路で赴いたライオネルが見たのは、言葉を話すビッグフット。彼は人間の言葉を聞き、覚え、新聞や本を読み、文字を覚え、ある日ライオネルの冒険について書かれた記事を読んで自らライオネルに手紙を書いたのです。
その目的は、ライオネルに自分の願いを叶えてもらうこと。
「ひとりぼっちはさみしい、ヒマラヤに住むというイエティはおそらくは自分の同族で、そこに行きたい」という願い。
ライオネルは驚いたけれど、彼の願いを叶えるべく、一緒にヒマラヤへ向かうことにするが―――。


ライカはとにかく映像が綺麗です。
私が特に驚いたのは、氷に映し出されたシーン。リンクと呼ばれるビッグフットが氷の壁に映し出されたシーンがめちゃくちゃ綺麗でした。天然の氷の壁なので、鏡がランダムな角度で並べられたかのように氷にいくつもリンクの姿が映し出されているのですが、氷の質感、各々の鏡面に映し出されたリンクの角度、その表情。
何をどうやったらこんなことができるのか。
KUBOのときにも映像のすばらしさにぽかーんとしちゃいましたけど、ミッシング・リンクもすごかった。

この映像美を観るだけでもその価値があるなぁ、と思った映画でした。

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