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『2分の1の魔法』感想

『2分の1の魔法』9/16鑑賞

かつて魔法が存在したが、いまは文明にとってかわられた世界で暮らすエルフの兄弟イアンとバーリー。弟のイアンが生まれる前に父が病死し、今は母子3人暮らし。
16歳の誕生日に父がイアンに残したプレゼントを贈られたイアン。それは魔法の杖と手紙だった。
イアンがその杖を使って呪文を唱えると、姿を見たこともない父の下半身だけが蘇る。しかしこの魔法は24時間しか継続しない。なんとかもう一度魔法を使い、父の全身を蘇らせ、父と話をしたいとイアンとバーリーは失われた魔法を探しに旅に出る。

魔法が既に絶えてしまった、けれどかつては確かに存在していた世界で魔法を追い求める話なのですが、この世界は現代社会の現世(うつしよ)です。
魔法で起こしていた火を使った灯りは電灯にとってかわられ、都市にはハイウェイが張り巡らされ、インターネットであちこちの情報を手に入れることができる。魔法は今ではゲームや昔話の中にしか存在しないもので、魔法を追い求めるなんて馬鹿げた子供じみた話と片づけられている。
母親がいま交際している相手はケンタウロスで、ここにはステップファーザーと息子たちの問題もあり、そのケンタウロス(警官)の同僚のキュクロープスはレズビアン。イアンとバーリーは周囲からはナードと見られていて、学校で幅を利かせているのはスポーツマンのジョックたち。
エルフやケンタウロスを種族ではなく人種に置き換えたら、そのまんま現代社会。

私はファンタジーが大好きですが、エルフたちが暮らすというハイファンタジーの世界を見に行ったつもりが、ローファンタジーの世界だったのにびっくりでした。
完全に別の世界に浸りに行ったのに、そこはやっぱり自分たちのいる世界と地続きで、割と始終我に帰らされたなと思います。

ストーリー自体は信じることを追い求める兄弟と家族愛の話で、主役の兄弟はすごく好きでした。
吹き替えは志尊淳と城田優。二人とも良かったな。
あとはマンティコアのコーリーを演じていた浦島りんこちゃんも良かったですね。腹から声を出すようなシーンは彼女の声がすごく効いてたと思う。

それなりに楽しかったんだけど、ネタバレが嫌だからと下調べしなかった自分が悪いんだけど、完全に別世界に行けたらよかったなと思ってしまったお話でした。

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