真に先取りすべきものは何なのか
「絽(ろ)」という織物があります。
真夏の暑い季節に着るための着物や帯に用いられる織物の1つで、タテ糸を捩じりながら織ることでいわゆる「透け感」が出て、涼やかな見た目の生地になります。
綴織の中でも「絽綴(ろつづれ)」というものがあり、夏用の帯として制作しています。
今現在、私たちが絽を織るのをお願いしている織り手さんは、なんと90歳の方。
いまだにバリバリの現役職人で、長いキャリアにも関わらず今も技術向上に余念がありません。
しかし実は、この方が絽の織りを覚えたのはそれほ