ようやく我が家に
その日家に帰ると、宅配ボックスにそれはあった。
僕がコーヒーを飲むようになったのは浪人生の頃。18歳と遅ればせながらのデビューであった。当時浪人生で、学校の延長のような予備校の授業に明け暮れながら、夜に週に一度と決めて友達とスターバックスで勉強する時間を楽しみにしていた。はじめは、コーヒーなんて滅法飲めず、お恥ずかしながら、バニラフラペチーノや紅茶などを飲んでいた。そんなある日、いつものスターバックスで、淑女の店員さんに「そろそろコーヒー飲んでみない?私、奢ってあげるから。」と言われた。
当時は浪人生でお金も余りなかったため安牌で美味しく飲めるとわかりきっていたのみものばかり頼んでいた。チャレンジをしていなかった。
そんな僕を見かねたのか、声をかけてくれたのだ。すでに仲良くなっていたので、あの人が言うんだから飲んでみよう、せっかくだし!と飲んでみた。
これは美味しい!!なんで今まで気づかなかったんだ!
となったわけではなく、可もなく不可もなくといった感じだったのを覚えている。とりわけブラックで飲んだのも後押ししたのだろう。
それからというものの、せっかく勧めてくれたしとコーヒーを頼むようになった。なんといってもドリップコーヒーは安い。笑
飲み続けてみれば味にも慣れて美味しく感じるようになるものである。特に、コーヒーの香りはたまらない。人間の適応力はすごい。
そんなこんなでコーヒーを好きになっていった。
とまあ、思い出話はそんなところにしておこう。
コロナが世の中に跋扈している2021年のGWに届いたのは、手動のコーヒーミルとガラスのドリッパーである。
今までは挽いた豆を買ってきていたのだが、GWで外にもそう出歩けないので、もう少しコーヒーについて造詣を深めてみたいと思い立ったのだった。
購入したのは、Timemore nano手動コーヒーミルと、HARIO V60 耐熱ガラスコーヒードリッパーである。
思ったよりも小ぶりのミルであったが、ブラックで重厚感があって良い感じ。キャンプとかにも持っていけそうかな。
さっそくカルディでマイルドカルディを買ってきて挽いてみた。
ギコギコギコギコ グリグリグリグリ ガリガリガリガリ
擬音語のセンスがなさすぎて的確に音を表現できないが、そんな感じの音が心地よく聞こえる。
自分で挽くほうが、なんとなく苦味も残っていてぼく個人的にはとても美味しかった。
自分で丹精を込めて作るものはやはり美味しい。
これから豆や挽き方や、色々なことを勉強していきたいなあ。
スタバのお姉さんには感謝だなあ。こんなに人生を豊かにしてくれるものをひとつ僕に与えてくれたのだから。
明日もスターバックスに行こう。