日記|漫画『STAND UP START』(13)(福田秀、ヤングジャンプコミックス)完結

(ネタバレ: わずかに有り)

福田秀さんの『STAND UP START』が13巻で完結した。13巻。とても面白かった。福田さん、たいへんおつかれさまでした。面白い漫画をありがとうございます。

自分の年齢が高くなるにつれて職業ものの漫画を読むことが増えてきた。『トリリオンゲーム』『いつか死ぬなら絵を売ってから』『左利きのエレン』など、流行っているものは一通り読んでいる気がする。『課長島耕作』まで読み始めてしまった(もっとも、これは職業漫画というより不倫漫画といったほうが適切かもしれない)。

本作の魅力はやはりMだろうか。Mはドラえもんや AI のような万能装置であるものの、(おそらくひとりの)人間が向こうにいるものとして描かれている。『トリリオンゲーム』では「そんな凄いこと起きうるの?!」という驚きを勢いで読者に納得させてくるが、本作は「Mだから仕方ない」とはじめから読者が受け入れている。こうしてご都合主義的な部分をMが巻き取ってくれるおかげで、他の登場人物は比較的リアル路線で物語を進めていくことができた。

スタートアップ経営者が SNS で日常を発信することが浸透したことで、 SNS で発信される内容は近年ドラマチックになってきている。ここまで来るといっそドラマ(フィクション)で良いのでは、と思っていたらそんな漫画が出たというのが本作。リアルからのフィードバックを受けて、新しい職業漫画は面白くなっているんだなと思わされた。

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