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小説

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2020年4月の記事一覧

ひと時の休息

 時代には流れが有る。平穏な時、あらぶる時、
今は後者だろう。

 長い閉塞がアマテラスへの反抗となって現れたのだ。

 一度、力の蜂起が始まると彼方此方(あちこち)に伝染する。
まるで未知のウイルスが猛威を振るうがごとく荒れ狂うそんな
時代に恐れを抱くものが少ない時、戦乱は荒れ狂う。
今そんな時だった。

 ヴァルハラ城 四季の広間

 今桜が咲いている。樹齢数百年の満開の桜がその場を和ませる。

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サザエさん炎上騒動で考える、テレビの話題に頼るネット報道の問題点

サザエさんのネタで炎上させてるのなんてごみくずだから無視すんだよ。

マスコミが取り上げたらバカが喜ぶだろうが。

マスコミってほんとバカになってるわ。

>日曜日に放送されたサザエさんが炎上という話題が、複数のメディアで取り上げられていました。

個人的には、今回のケースを「炎上」と呼ぶのは少し大袈裟ではないかという印象です。

ただ、テレビにおけるタレント発言の炎上報道などを考える上で、非常に

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新たなる戦い

 戦いは戦場だけで行うものではない。
政治的な戦い、経済的な戦いがそれにあたる。

「やはり株や債券を予め買っているものがいるな」
 皇太女ティア・アマテラス総司令長官はヴァルハラ城
秋の間の端末の前に居る。

「君の予測は大当たりだね。これはちょっとばかり厄介な事になりそうだ」
 総参謀長ヒロ・マクドネルは同じ様に端末を弄っている。

 明らかな情報漏洩があった。いや裏で戦争を起こしたものが居る

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事後処理

旗艦オーロラの総司令長官個室。

「矢張り武装解除はしなければ成るまい」
 皇太女ティア・アマテラス総司令長官 は分厚い資料に目を通していた。

「今回は直接地上部隊の武装解除も遣るのかい」総参謀長ヒロ・マクドネルが
微笑みながら確かめる。

「そうなるであろう」頬杖えを突きながらい気の無い返事をする。

「でも大変だよ。民衆は自分達の政府が無能なのをアマテラスの統治ミス
だと思ってるから」民衆は

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天を駆ける星 敵中からの脱出

 反乱軍の艦隊旗艦スパルタニアン営倉

 ゲオルク・フォン・ローゼン大佐とその部下6人は
一人ずつ営倉に入れられている。

「ローゼン大佐これから如何するつもりですか」ミシェル・ナイト大尉が
問う。

「ミシェル・・・かそうだな。隙(すき)を見て逃げるとするか」
ゲオルク・フォン・ローゼン大佐は毅然と答えた。

「どのパターンですか」ミシェル・ナイト大尉が目を輝かせてさらに問う。

「E-5だ」ゲ

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天を駆ける星 開戦

 旗艦オーロラが艦隊を引き連れ天の川銀河を疾走していた。
星の海を優雅に飛翔していた。漆黒の艦影がハイパースペースの閃光で
浮かび上がる。

「ワープアウトまで10、9、8、7…3、2、1、
ワープアウト完了しました」航法士フレア・マクベス少佐が淡々と告げる。

「無人偵察機ファントム発進準備完了」無人偵察機は核ミサイルを爆装している。
「1番機発進、2番機発進…10番機発進、11番機発進、12番

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天を駆ける星 プロローグ

プロローグ

 長い平和の時が過ぎようとしていた。
政治は停滞し経済は疲弊していた。
社会は遺伝子をデザインした勢力が多数の民族を
支配していた。

 その種族は歴代の優秀な人物の遺伝子を記録し
必要に応じて生み出していた。その為に
優秀な人物を抱える家系が政治的経済的に
優位を形成していた。

 だが遺伝子のせいか大多数の一般市民の生活に
関心を示さずその長い人生を謳歌していた。

日銀が追加金

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