見出し画像

一時帰国しました!

こんばんは。むかいです。
先日2023年7月8日、私は日本に一時帰国いたしました。
現在進行中の来年度に向けた諸々の手続き等で問題が発生しなければ、8月20日まで日本に滞在予定です。8月20日に日本を出国し、モンゴルに20日・21日と泊まった後、8月22日にウラン・ウデに戻る予定でいます。

2022-23年度を振り返って

いわゆる「特別軍事作戦」が進行中、そして西側諸国からの経済制裁が発動されている中で現地採用で赴任した今回。まずは途中で帰国せずに1年間職務を全うできたことにホッとしています。

私はロシアの大学から直接給料をいただいている身(それだけでは正直足りませんが…)であるため、日本発行のカードの利用不可、日ロ間の送金の困難については、あまり影響を受けることなく過ごすことができました。経済制裁についても、少しずつ物価が上昇していたり、一時期紙類が品薄になったりと、全く影響がなかったわけではありませんが、業務や生活の上で深刻な影響が出ることはありませんでした。
そして何より、大学の同僚の先生方や上層部が、ロシアから見れば「非友好国(つまりは敵国)」から来た私を、「政治と教育・文化交流は別」というスタンスで迎えてくださったことで、不快な思いをすることなく過ごすことができました。非常に感謝しております。

現在、勤務先の日本語専攻では、大学間の協定による留学プログラムへの学生の派遣を中止しています。いくつか理由がありますが、特に大きなものが経済制裁によって送金やカードが使用できない問題。学生がお金関連のトラブルに巻き込まれた際に、大学や保護者が救いの手を差し伸べたくても差し伸べられない…という点が大きいです。日露間の送金は、日本人でも現状では様々な制限があり大変ですが、ロシア人の場合はさらに難易度が上がってしまいます。

日本の文部科学省が募集している国費留学プログラムは、現在ロシアでも募集は続いており、勤務先も学生の応募を特に制限していません。ただ、とても狭き門なので…。

そして、このような状況で日本人留学生は0。つまり、学生たちが日本人と関わる機会というのは、自分以外にほとんど存在しないわけです。(学生と劇場で働く日本人の方との関わりって、おそらく皆無ですし…。)

そのような状況で自分がすべきことは何なのか。常に考えながら過ごした1年間でした。授業以外にも学内で会話クラブを開催して、日本語を履修している学生以外にも日本語や日本に接する機会を設けたり、積極的に学生たちと授業の内容以外の日本のことも話したりするようにしていました。授業では、自身が知る限りの最新の日本事情も混ぜていたつもりです。そして、日本の物の実物(レアリア)や動画は多く使うようにしていました。

これで良かったのかは分かりませんが、5月に行われた表彰式で、4月に行われたイルクーツクでのスピーチコンテストで指導した学生が3位入賞したこともあり、大学からこれまでの業務について感謝状をいただきました。今までの努力が形となって表れたような気がして、嬉しかったです。

いただいた感謝状

2023-2024年度に向けて

ロシアでは9月1日から新年度が始まります。来年度に向けた手続きで問題が発生しない限り、8月22日にウラン・ウデに戻り新学期に備える予定です。

恐らく来年度も、自身を取り巻く状況はあまり変わらないか、(自身にとって)悪化するかのどちらかだと思います。ただ、そのような状況でネイティブの教員として何ができるか考えていきたいです。総領事館や日本の機関への教材の提供依頼や連携について、昨年度は少し遠慮してしまったところがありましたが、もっと積極的に進めて行きたいと思います。

コロナ禍の時点で止まっていた助成金で購入した大量の教材(合計約40kg)の輸送も、関係機関と連携し、少しずつかもしれませんが、現地に送れる目途が立ちそうです。こういったところで、日本の機関との連携が活きてくると思うので。

そして何より、学生たちが困難なく日本と行き来し、学んだ日本語を存分に活かせるようになる日が来ることを待つばかりです。せっかく学んだ日本語、人生で何かの役に立ってくれれば、これ以上に嬉しいことはありません。

おわりに

昨年はほとんど更新できなかったnoteですが、来年度は時間割に余裕があるため、定期的に更新できればいいな…と思っています。一時帰国中も、これまで書けなかったことを少しずつ書いていければと思っています。

まだ1年の疲れは取れていないので、日曜日までは基本的にゆっくりしつつ、18日月曜日から来学期に向けた準備等を進めて行きます。

記事がお気に入りいただければ、サポートをよろしくお願いいたします。いただいたサポートは、ロシアでの活動やその準備にありがたく使用させていただきます。