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渦中のロシア滞在日記 第2号(2022年10月28日~11月3日)

こんばんは。渦中のロシア滞在日記第2号です。今回は2022年10月28日㈮~11月3日㈭までです。

日記には、特別軍事作戦の渦中のロシアで、自身が感じたこと、考えたことを、とりとめもなく書くことが可能な範囲で書いていきます。情勢に関連したことも、それ以外のことも書いていきます。きっと、この何気ない日常の記憶・記録が、後々役立つと思うからです。

では、早速始めていきましょう。

10月28日㈮

この日も街や大学の様子で特に変わったことはなし。スーパーの品ぞろえや値段にも変化はなかった。
ただ、部屋のシャワーが壊れた。使用中に突如としてシャワーホースに穴が空き、そこからお湯が四方に飛び散る状態に。自身は大学の寮の一室を借りているため、(自分に非のある物の壊し方をしない限りは)部屋の備品の修理や交換は無料で依頼できる。壊れたのが金曜の夜だったため、修理は月曜まで待つことになった。

壊れたシャワー

10月29日㈯

この日は所属学院(日本の学部の上位互換)のオープンキャンパス。自身が所属する東洋学院・極東地域言語学科は、日本語、中国語、韓国語でそれぞれイベントコーナーを設置した。日本語学科は2年生の学生3人に協力してもらい、習字体験を行った。このような国際情勢においても日本語のコーナーにはとても多くの人が訪れ、書道体験を楽しんでいた。同じくロシアの非友好国である韓国の伝統的な遊びのコーナーも盛況だった。政治的には「非友好国」であるが、一般市民レベルでは非友好国に対して非友好的な雰囲気は見られない。日本留学に関心を寄せる高校生も何人か見られた。
(日本留学自体は、現在も協定大学が受け入れをしてくださっている。今年の春学期には2つの大学に4人が派遣された。現在3年生が留学の学内選抜に向け準備中。)

オープンキャンパスで配布されたパンフレット

午後からは、日本語会話クラブの初心者コース5回目を実施。参加者は18人前後で、毎回微増しながら安定している。最近は日本語専攻以外の学生の比率が高くなってきている。このような状況で、専攻以外でも「日本語を勉強してみたい」と思ってくれる学生がいるだけで、本当にありがたい。やはりアニメやマンガから日本に興味を持った人が多い様子。

10月30日㈰

この日は朝カーテンを開けたら見事な積雪。最高気温は0度前後、最低気温は-10度前後というのが当たり前になってきた。なお、この日も街の様子に特に異常はなし。

右側の大量に積まれた枝は、後日業者が回収・撤去していきました。

なお、金曜日に壊れたシャワーについては、土日共に下の蛇口と小さな桶を利用し、工夫しながら入浴をした。

10月31日㈪

この日も大学や街の様子に特に変わったことはなし。
壊れたシャワーの修理日がこの日だった。午後から修理に来たのはノリの良いオジサン。「いつまで日本にいたんだ?」「ロシアはどうだ?さみしくないか?」など、修理中も色々と話しかけてくださった。「日本人だから…」ということで特別な話題をふられるわけでもなく、ただただ親切で優しいオジサンだった。
これは4年前~2年前にいた時からそうだが、ロシアで暮らしていると日本にいる時の数倍はトラブルが発生する。もちろんトラブルが発生するとイライラするし、予定が狂うことになる。ただ、そのようなトラブル時には必ずと言って良いほど、ロシアの人の優しさや温かさに触れることになる。必ず誰かが助けてくれたり、事態の打開に向けて協力をしてくれる。少なくとも自身が知るロシア人やブリヤート人は、そのような人がほとんどだ

11月1日㈫

この日も大学や街の様子に特に変わったことはなし。学生たちの様子もいつも通り。廊下では友達と仲良くおしゃべりし、図書館では真面目に自習をし、食堂でともだちとご飯を食べる…。とりあえず大学内は日常が続いている。

この日に撮影した夕暮れ時の町の様子

11月2日㈬

この日も大学の様子はいつも通り。街もいつも通りだったが、夕方、自身が暮らす寮の前に、「Z」と大きく書かれた軍用車両が停車していた。軍用車が寮の前に停車すること自体あまりないのだが、何だったのだろうか。寮の様子はこれまでと変わったことはない。

11月3日㈭

この日も大学の様子はいつも通り。街の様子はこの日は大学と寮の往復しかしていないため、書くことができない。ただ、授業中の教室から、「ブリヤート・モンゴルツアー」と書かれた大型の新しい観光バスと、ハングルで何か書かれている大型の新しい観光バスを目撃した。モンゴルと韓国にそれぞれ「旅行」する人が乗っているのだろうか。それとも逆に、モンゴルや韓国から人が来ていたのだろうか。

ちなみに、所属大学にいる西側諸国の教師や学生は、知っている限りでは韓国人の教師と学生が1人ずつと、日本人の私のみだ。国際部に置かれている旗を見る限りでは、フィンランド人とドイツ人もいそうだが…
なお、西側諸国からの留学生や教師、研究者は大幅に減っているが、モンゴルやアフリカ、中南米からの留学生や来客は増えているそうで、寮の部屋が足りなくなっているらしい。

おわりに

この期間も、シャワーの故障はあったものの、大きなトラブルなく過ごすことができて良かった。今のところは「非友好国の国民」であることによる不便や理不尽は経験していない。このままそういった経験なしに過ごせていければいいが…。

また来週、木曜日~土曜日辺りに更新できればと思います。それでは。

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