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シーラッハの『罪悪』について

シーラッハはドイツの作家。弁護士活動の経験を自身の文学の特徴にしている。そんな彼の文学の中で『罪悪』は、ひときわ、異彩を放つ。というのも、この短篇集には彼が経験した生々しい事件を取り上げた作品が収められているからだ。

まず、この表紙、裏表紙からして、何か気持ちの良くないものが感じ取れる。書店や図書館で、この本を見つければ、見つけた者は以下の手順を踏むことだろう。

1.表紙を5-10秒見つめる。
2.次に裏面を10-20秒見つめる。
3.臆病者は著者紹介を一読し、豪胆者は目次を一読する。そして、各物語を読み進める。

このようにして、人は読者となるのだ。

ところで、僕の感想を言えば、どの物語も簡潔で、展開のまとまりがよかったと思う。そして、どれにおいても、現実的な生々しさが核心にあった。
とにかく読んでみて下さい。

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