がん患者には何も勧めない方が良いという話
こんちは!さて再発してから半年が経ちました。2024年1月に再発・1年後の生存率50%・3年後の生存率10%という数字を抱えながらの半年です。あと半年で50%の確率で死ぬか?ふふふ。そりゃまず無いわな。
ということを確信できるくらいめちゃ元気です。1年50%のところはもう突破したかなー
さて、今日は最初のがんの発覚からは1年半たったわけなんですが、もうね。すごいのよ。久々にあった方がもれなく言ってくる治療に対する「あれやったほうが良いよ」「こういうの興味あります?」に苦言を呈させてください。
すごく自分の為を思っていってくれているのはわかるのですが、これは本当に大変なんです。
死の責任を持てない
免疫療法
催眠療法
漢方
サプリ
食事
etc
上記は今までに僕に勧めてきた一例です。全てに対して「治療はこちらで決めたことをやっているのでお気持ちだけ」とお断りしてきました。ただ本音は「なんで勧めてくんの?そんなに俺が死ぬ事に責任持ちたい?若しくは死んだ時に葬式で『あぁ私の言う通りにしなかったからこの人は死んだんだわ。馬鹿な人』って言いいんだろうなこのエゴイストめ。」とか性格悪い自分は思うわけなんですよ。
風邪を早く治す方法なら全然良いですよ。死なないから。でもね。死に対して他人が真正面に向き合っちゃ駄目でしょ。たとえ家族や親友でもね。
勧める相手を間違えている
ここでぜひとも想像してほしいのは、がんの患者に勧めるからおかしいんです。そのがん患者はある程度、というより本気で自分の主治医を信用します。あ、がんの人でこれ見てて主治医を信用してない人いたらまじで病院変えたほうが良いっすよ。
で、皆さんはこの主治医にこういった方法が良いですよって勧めてください。自信を持って医療エビデンスも持ってご提案なさるのであれば主治医の先生と引き合わせますので、是非私の先生にご提案ください。
「いや、それほどのことじゃないんですけど。知り合いがそれで治ったって言ってたもんで」
これがマジで一番良く聞きます。
知り合いがそれで治った
一番うるせーw
すみません。口が悪くなりました。えっとね、がん治療は風邪とかと違って「ルルのんで寝れば治る」ってもんでは全然無いのです。
遺伝子の検査をして、抗がん剤がどのパターンなら効くか(正確にはこれからやろうとしている抗がん剤が効かない可能性を潰せるかだそうですね)をしらべ、つねに血液検査をしながら細かい数字変化を知り、精密検査をしながら治療を進めるんです。あ、少なくとも俺はね。
その知り合いの方はどのような治療方針で、どの治療をどの段階で試みていて、その時の効果はどうで、遺伝子構造は自分とどう合致していて、どういった理由で俺にも同じように効くと思っています?
って事になるんです。ホントすみません。性格悪くて。
でもご理解頂きたいのは、そこまで真剣に自分のがんに取り組んでいる専属のチームがあるということを。
本気で「絶対にこれをやるべきだ。この人の死は私が向きあう」って思うのであれば主治医を中心としたこの医療チームに提案すべきなんです。
風邪程度ではこんなチームが形成されるわけではないので、風邪のひき始めは葛根湯なのかエスタックイブなのか生姜湯を飲んで寝るのが良いのかの論争は是非是非続けて頂いてw
自由診療と保険診療に対する勘違い
これはめちゃくちゃ反論来そうですね。個人的な意見なので反論全然認めますし、それぞれがそれぞれの考え方を持っていてOKだと本気で思ってますので、あくまで私の見解です!
保険診療にろくな治療方法は無いは嘘
これは国立病院の医師にセカンドオピニオンで話したときの経験から思っていたことが確信に変わりました。
厚生労働省って何をもって認可したりしてるんだと思います?効果はあるけど死亡確率が今までの薬より高いから認可しないとかがあると思っています?あのね。医療エビデンスによって効果があるものは基本的に認可されてるんすよ。これは一部の効果では認められることが少ないので「効果があるのに認めてられていない」って思われがちなんです。例えば特定のマイノリティなDNAを持っている人にしか効かない薬があったとして、これはきっと認められていないんでしょうね。
でも広く効果があることがわかっているものに関しては認可されているんです。
決して非認可の薬剤や療法が効果まったくないぜ!って言ってるわけでは無いのですよ。保険診療にはろくな治療法はないは間違いだと言いたいのです。
医療エビデンスがすべて
医療エビデンスって言葉がありまして、当然世界中の研究結果・臨床結果を元に認可したり外したりすることもあるそうです。ってことはポジティブなことばかりでも無いことは事実です。そういう意味で認可されている治療(保険診療+先端医療)がすべて出ないことは理解しています。
実際にセカンドオピニオンの時にあった話ですが、腹膜播種の手術の術式で日本でも認可されていた欧米式の術式があったのですが、実は手術の成功率は変わらなく合併症のリスクが上がるっていう論文がフランスで発表され、それを採択する国が多くあり日本も採択したためその術式ができなくなったと言っていてとても悔しがってたのが印象的でした。
その医者はその術式への信頼が高かったためかなり肩を落としていましたが、そういった話なのであればでは海外でその手術を受けようかなってなってもおかしくないかなとは思うんです。
とにかく医者ですらこんなに苦悩の末に治療法を提示しているのです。
自称ブラックジャックは日本に1万人いる
インターネットの情報は相当情報過多な印象です。「がん治療 自由診療 おすすめ 東京」とかでgoogle検索をして、上位に出てきた順番に各医療機関・クリニック・医療機関じゃないなにかのHPを見てみてください。
「他で駄目でもうちならなおりまっせ〜」って言っているところがほとんじゃありません?
もうさ、ブラックジャックじゃん。朝田龍太郎じゃん。大門未知子じゃん。
何人いるのよ?ってのと、ホント検索の深いページまで見た方はお気づきだと思います。「免疫療法は嘘。大事なのは食事」「何食べたって良い。このサプリ飲んでおけば」「サプリなんてむしろがんを進行させる」
もうね。言っていることがホントそれぞれ違うのよ。んじゃ何を信じればよいのさー!!!???
自分を信じる以外の選択肢が無い
そうなんです。がん患者は自分が信じた道を行くしか無いのです。
そのために必死に勉強して、必死に先生に色々聞きまくって、場合によっては本当に命を欠けて様々なことを試している人もいるのです。
そこはわかってもらいたくこれを記事にしました
最後に
本当に、これだけは誤解の無いようにお伝えしなければならないのは、心配してくれていること、なにか力になれないかと考えてくれていることに対しての感謝を忘れたことはありません。
自分なんかのために、本当にありがとうございます。
今回の記事は皆さんの「がんに対してこれがおすすめ」は自分のターンに取っておいてください!むしろそんなことよりも、会話をしてくれる・会ってくれる・ご飯とか付き合ってくれるとかのほうが何万倍も嬉しいのです!を伝えたかった記事でした
ではまた!!
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