「今日、借金を背負った」 増田明利
借金という言葉に、毛嫌いする自分がいる。
しかし読了後、縁の無い世界であると、言い切れない自分がいる。
本書には、借金で人生が狂った11人の経緯が描かれる。
些細なところに魔の入口はあると知る。
生活の足しに10万円借りる。直ぐに手に入るカードで更に借りる。何に使おうか考えてしまう。
就活中の女性に、エステや美容アクセサリの契約を狙う。止む無く就職したサービス業で、日常的に罵詈雑言を浴び、散財することによりストレスを解消する。
各々の精神状況や環境を考えれば、仕方ないと迄はいかなくとも、仕組まれた様に見えてしまう。
無論、自己肯定したい故に美化してある所以、とも思うが。
パチンコもキャバクラも、掛けた時間とお金を考え、後に引けなくなる。上手い事出来ている。
自己破産も、誰でも安易に出来るもので無い。
お金がない時。借金がある時。取立が来る時。其々の精神状態では、借金の可否や、次の事を考えられる筈がない。自転車操業になる事も理解に苦しまない。
競艇等はさておき、奨学金のよる自己破産はどうにか避けられないものか。
仮に4年制大学で、月に4万円借りれば、卒業迄に192万円で、利子を考慮して200万円とすると、月2万円返して、100ヶ月(8年4ヶ月)かかる。月に2万円返せたとしてもそれだけかかる。
月に13万円借りていた知人もいた。
国立大のみ学費免除はどうか。
行く意味もないFランク大学への助成金を無くす所から考えて欲しい。
インフルエンサーが、借金をして迄に夢を叶える姿を美徳として語る。有名人がキャッチーな広告で消費者金融を宣伝する。
確かにお金が全てな世界がある事は知っている。自分はアルバイトの身だったが、お金があると、女は煽てあげ、神様の様に扱われる姿を見た。
そこの偉い人から「ハマるなら、今の内だよ」と聞いた。多くが、30代や40代でハマり、お金を使い切る。20代ならまだ、取返しがつくからだそう。確かにその様に見える客は多かった。
お金は身の程に合う稼ぎ方、使い方をするべき。
地に足つけて生きていこう。卯年だけど。
我年男。明けましておめでとう。
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