天に順う者は存し、天に逆らう者は亡ぶ
欲識三元萬法宗,先觀帝載與神功。
(三元萬法の宗を識らんと欲すれば、先ず帝載と神功とを観よ。)
天有陰陽,故春木、夏火、秋金、冬水、季土,隨時顯其神功,命中天地人三元之理,悉本於此。
(天に陰陽有り。故に、春 木、夏火、秋金、冬水、季土、随時に其の神功を顯し、命中の天地人三元の理は、悉く此に本づく。)
滴天髄の最初の部分です。
これは「天地人、森羅万象があり、それぞれに一つの法則がある」という陰陽説の考え方の根拠となっています。
「三元」とは世の中全体の大局的なことで、四柱推命の命式においては天元は天干であり、地元は地支、人元とは地支中の蔵干の働きを指します。
人が生まれるにあたり、これらの氣を基をして存在をしているというのが、陰陽五行論の考え方となります。
「帝載と神功」とありますが「帝載」とは四正(坎、離、震、兌)のことで、それぞれ四季の舵取りをする氣を指します。
また「神功」とは神の勲功のことですから、三元の氣が作用して生み出された結果のことを指します。
もっとも単に「神殺」「空亡」「通変星」「十二運」といった単語のイメージで判断するだけでは、陰陽五行の理に真剣に接しているとはいえないでしょう。
この法則を知るためには、陰陽五行の理を理解する必要があると本書には主張されています。
さらにこの考え方は、今から約400年前の中国の明朝時代 (1632年)に出版された干支の解説書の一遍である「郭氏元経」にも記載されており、その中を要約すれば運氣を上げるには、順を取ること、逆を取ると運氣が下がる、という言葉が書かれています。
運を上げる秘訣は「順と逆を知ること」です。
しかし、「順」と「逆」とは何かという問いが、知りたいと思うのではないでしょうか。
「順」は、天が示す道
「逆」は、人の思考が導き出す答え、と考えるとわかりやすいです。
恭順と反逆、仏教では原因と結果による順縁、逆縁ともいわれます。
孟子の「離婁上」にも「天に順う者は存し、天に逆らう者は亡ぶ」とあります。
自然の道理に従う者は存続していけるが、その道理に逆らう者は亡ぶという意味です。
天が示す道はいろんな方法で知ることができますが、四柱推命などの命術では暦により運命を知ることができます。
蛇足ですが、古来より東洋占術では「順」と「逆」という時と場合に応じて、優先順列や価値観が入れ替わる事もある様な概念がよく用いられ、「中庸」と成すを尊びますが、西洋文明を軸とした現代社会で生きている我々は「正」と「反」には「合」と言う昇華によるアプローチが主流であるように思います。
これは似ているようで全く違いますので、とくに占いを参考にしてビジネスをしている人はジャンルに関わらず注意が必要です。
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