新型コロナインフォデミック     私的アーカイブ (はじめに)

今日は2021年3月18日朝。二回目の緊急事態宣言の延長期限が迫り、今日にも政府は解除を決定したい意向で、それに東京、千葉などの知事が異を唱える構図が報道されている。
アンケートでは今回も宣言延長賛成が多数を占め、テレビで紹介される「街の声」もそういう意見が多い。テレビは明らかに宣言延長の世論を作り、後押ししたいようだ。

二回目の緊急事態宣言発出の前の12月末に感染拡大のピークを過ぎて、発症日でみるとピークは1月4日。1月7日の発出時にはすでに数字にあらわれていた下降傾向がそのまま続いた。
二回目の宣言は出す必要もなかったし、統計数値の動きから読み取れる大きさの効果はなかった、と私は考えている。
数字を見れば、そこに疑義の余地はない。

そして、重症者数や死者数でみると季節性インフルエンザと比べて大差ないレベルの感染症に収まってきた。

二回目の緊急事態宣言の当初の期間中にそう思っていたのだが、8割が宣言延長を期待するというアンケート結果が出て驚いた。それを受けてなのか、首都圏の知事が国に宣言延長を求める動きをみせ、政府は宣言延長を決定した。その理由が何だったのか、今でもよく理解できない。
医療のひっ迫が理由だと説明されたが、特定の病院の疲弊は事実としても、医療体制全体の崩壊というのは事実ではないし、その一部医療機関のひっ迫状況もすでにかなり緩和していた。
メディアが作る世論に「寄り添った」、つまり押されたと言うしかないように思う。

なんでこうなるのだろう。安心に寄り添うと言って不安をあおる知事はどうなればいいと思っているのだろう。その知事たちの支持率が下がらないのはなぜ。
そして今週、また同じ光景が繰り返されている。今度は政府も宣言を解除するのだろうか。

新型コロナはパンデミックである以上にインフォデミックだと言われる。2009年の新型インフルエンザのときに人々はこれほどの怖れを抱かなかったし、社会・経済が止まるような事態にはならなかった。違いはメディアだという。
そう思う。そしてとりわけ日本はインフォデミックの度が強かったし、今も強いと思う。世界的にはインターネットで情報が可視化されたことに伴うインフォデミックという言い方をされるが、日本ではオールドメディア、とりわけテレビが最大の影響力を発揮してのインフォデミックだと思う。

昨年の一回目の緊急事態宣言も大きすぎる空騒ぎでマイナスのほうが大きかったと思うが、それについて、その頃は「結果論ならそうかもしれない」と言う人、つまり空騒ぎだったことを認めつつ、未知のウイルスのことだからそれもやむを得なかったと認める人もそれなりにいた。

しかし、そのときに危機感をあおる予言や警告をした人たちの言っていたことが、いかにその後の事実(数字)で否定されたか、の検証がきちんと行われていないから、ウイルスが未知ではなくなった今も、また同じことを繰り返しているのだと考えて、昨年早々から新型コロナに関してクリップした情報や自分でFacebookなどに発信した情報などの私的アーカイブをここに集めて残すことにした。

インフォデミックのアーカイブのつもりで。
何の役に立つかはわからないが、自分自身の納得のために。

(3月20日補記)
二回目の緊急事態宣言は解除と発表された。
当然だと思うが、決定される直前に伝えられたバタバタ感は何だったのだろう。バタバタ感が虚像で、真実が一貫した方針に基づいての決定だったとしたら、そのようにメッセージが発せられるべきだった。
菅首相の説明は「飲食店に的を絞った対応で感染者が減ってきた」など、少なくとも公表されているデータと合致しない説明だったし、今後の対策の柱の第一も飲食店対応だという。ピントがずれていると思う。
堂々と言えなかったものか。重症者数、死亡数、医療の状況からみて今くらいの感染者数であれば解除できるし、解除しなければならない、重要なのは医療体制の強化と高齢者などハイリスクの人々の重症化を防ぐ対策であって、若く健康な人に関してはウイルスとともに生きる選択するをするときだ、と。
例えばフランス政府は今の日本と比較にならない厳しい状況の中で、それをやった。
  フランス フィリップ首相「ロックダウンは続けられない。
  我々はウイルスと共に暮らさなければならない」(2020.4.29)
  https://note.com/hirokazu_muto/n/n1c12160a89b8/edit?
アーカイブした発言の流れをみると例えば尾身氏は本心ではそのように考えていると見えるが、日本政府としては議論を恐れ、メディアを恐れているように見えてしまう。
福岡市長は2020年7月に「福岡市は感染者の数の増減だけに一喜一憂しない」とブログに書いた。正しい態度だと思う。この発言が勇気ある発言に感じるところに問題がある。
都知事は飲食店にコロナ対策リーダーを、という危険な施策を打ち出した。店が候補を選び、研修を受けて試験に合格して修了シールを受け取ってリーダーになるそうだが、リーダーになっていない人の高圧的なマスク警察行為の助長にもなり、客同士のすさんだ場面を増やして店も困惑することになるのではないか。
緊急事態は脱したが、日本型コロナインフォデミックは真っ盛りだと思う。


新型コロナインフォデミック 目次とリンク
https://note.com/hirokazu_muto/n/ncab3f428d01d/edit)https://note.com/hirokazu_muto/n/nf7069a66fb22

次回
(1)新型コロナとの戦いに勝つという目標設定は間違っている(2020.4.27に書いた私見
https://note.com/hirokazu_muto/n/ncab3f428d01d/edit)

こちらも
大木隆生チャネル 視聴メモ#1、#2
https://note.com/hirokazu_muto/n/n16d6efdf5c48



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