日本の円安とは?(影響と背景を探る)

日本の経済において、ここ数年注目を浴びているのが「円安」の問題です。今回は、円安の意味やその影響、背景にある要因について書いていこうと思います。


円安とは?

円安とは、日本円の外国通貨に対する価値が低下することを指します。
具体的には、外国通貨(主にドルやユーロなど)に対して、より多くの円が必要になる状況を指します。
例:1USドル = 120円 だったのが、 1USドル = 150円 になってしまうことです。
これは通常、外国為替市場での為替レートが上昇することによって現れます。

円安の影響

輸出産業へのプラス効果
円安は、日本の輸出産業にとってはプラスとなります。なぜなら、円安になると、日本の製品やサービスが外国でより安くなり、競争力が向上するからです。これが続くと、輸出企業は収益を伸ばすことができ、雇用や経済全体に良い影響を及ぼす可能性があります。

輸入品価格の上昇
一方で、円安は輸入品の価格を上昇させることがあります。外国からの商品や原材料が高くなると、それが消費財や生産原価に影響を与え、インフレ圧力を生む可能性があります。これは国内の物価上昇に結びつくため、インフレ対策が求められることもあります。
特に食料やエネルギーを輸入に頼っている国にとっては、とても重大なことで、要因は円安だけではないですが、日本もすでに目に見える形で物価が上昇しています。

海外での企業収益
円安は、国内企業が保有する外国子会社や投資にも影響を与えます。円安の状態では、これらの子会社や投資が評価され、企業全体の収益が向上することがあります。一方で、為替リスクが高まるため、慎重な資本運用が求められます。

円安の背景要因

金融政策
中央銀行(日本銀行)の金融政策は円相場に大きな影響を与えます。
金融緩和政策を取ると、金利が低下しやすくなり、これが円安の要因となります。
ちなみに日銀と政府との関係ですが、日銀の株は日本国政府が55%保有しているので、実質 日銀=国 という認識でいいと思います。
実は円安は今に始まったことではなく、2003年ごろから日本政府は円安政策をとってきました。
さらに2013年からを異次元の金融緩和をおこなっており、そこから円安が顕著になっています。

経済指標と世界の動向
景気の先行きや世界の経済状況も円相場に影響を与えます。
世界的な経済不安や地政学的なリスクが高まると、投資家は円を安全資産と見なしやすくなり、円高傾向になると言われています。
逆に、景気が良好でリスクオンのムードが強まると、円安に向かうと言われています。
しかし、ここ最近その定説が崩れようとしています。
ロシアによるウクライナ侵攻で、円買いは起きませんでした。
為替レートは世界中の市場関係者の色々な思惑で動くので、原因を正確に推測するのは難しいですが、貿易赤字による円の信頼の低下ではないか、と言われています。

まとめ

円安は複雑な経済現象であり、様々なものに影響します。
輸出企業や海外投資家にとっては好ましい状態かもしれませんが、輸入物価の上昇やインフレなど、国内経済には々な課題が生じています。
円安が進行する中で、日本政府や日本銀行は慎重な政策調整を行いつつ、安定的な経済環境を維持するために努力はしているとは思いますが、今のことろ打つ手なしの状況です。
極端な円安に歯止めをかけるにはいくつか手段があるとは思いますが、やはり、日本の技術・製品等で世界的に競争力を高めること、
そうすることで、日本製品や技術が海外で買われ日本円の価値や日本そのものの価値も上がるということが、長期的な視点で見ると大切なのではないかと思います。

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