【乳房にがん】2日目

2020/05/23

朝テレビをつけると、お墓、というか樹木葬の特集をやっていた。

最初は飼っていたペットと共に埋葬されている、といった内容だったのだが、次の取材者がお嬢さんが34歳で卵巣がんでこの世を去ったということをやっていた。

そのタイミングで私は台所に立っていたのだが、癌という病名からか母がそっとチャンネルを変えた。

今までなら見れていただろう。若くしてなくすとは辛いねーなんて感想を言い合っていただろう。

しかし、今の母にとっては、あまりに身近すぎるのだろう。条件反射ではなく、隙間を狙ってチャンネルを変えた母に、逡巡を感じた。

午前は母も私も片付けを進めた。母は1階の、私は3階の片付けをそれぞれ行い、落ち着いたところでドライブをすることにした。

その時、母がこの秋に行うはずだった織物の個展から離脱することを聞いた。

「いつ、どうなるかわからない」

これから手術や投薬となったらスケジュールも分からないし、免疫力が落ちてコロナも心配だと。

なにより個展で立ってお客様に挨拶出来ないことが申し訳ないと。

でも、人生なんていつどうなるかわからないのに、急にがんという言葉だけで、彼女には大きな枷ができたんだろう。

とにかく「いつ、どうなるか分からない」ということが尋常じゃなく増えた。

元気に気丈に振る舞ってるのに彼女の心の中では随分とぐるぐるしたものが回っているのだろう。

まとまりないが、そんな2日目だった。

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