自意識過剰

若い頃ってのは自意識過剰なものだと思う。20歳になろうとしている息子が髭の永久脱毛を考えてると聞いて、気にしてるほど濃くもないのに。と思う。でも本人にとっては一大事なのだ。私だって20歳の頃は今になれば長所にもなり得るとって思える事がコンプレックスだった。

若い頃の自信の無さやコンプレックスは時に前進する為の力になる事もある。私はそんなふうには出来ずに長いことクヨクヨしていたけれど。

いつからだろう、どうでもいいやって開き直るようになったのは。世の中の人は自分の事をそんなに関心を持って見てはいない。子供を産んだ後だったか、不惑の歳を過ぎた頃だったか。

おばさん体型上等じゃんか。美魔女になりたいわけじゃない。人の価値は外面で決まるわけじやない。誰にどう思われようが気にしない。私は私だ。今は心底そう思える。

二十歳の写真を見て、あの頃にはなんで自信がなかったのだろう。隣で並ぶ友人は確かに細くてしかも小柄だけど、私だって十分に可愛いじゃないか。肌もきれいだ。髪だって艶やかだし、胸はしっかりと上を向いてるし、足首はちゃんと細い。当時は太ってると思ってだけれど、今見たら肥満してるわけじゃない。あの頃にもう少し自信が持てていたら、きっと違う人生になってた。

息子に伝えた。数年したらきっと髭なんかどうでもよくなる。でも息子の心には届かない。脱毛して自信を持てるなら、それはそれで良いことだ。

なんだか、とても歳をとった気がする。




 


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